第62話「お前の手に堕ちる未来なんて」 ページ15
非常に不服そうな顔をする兄たち数名。
だって本当の事じゃん…と若干罪悪感に呑まれながらも写真やら手紙を全部ゴミ袋の中に詰め、外へ置きに行こうと立ち上がる。
明日は丁度ゴミ収集の日だ。
すると、私が持ってたゴミ袋をカラ松兄さんが何も言わずに掴み、持って行ってくれた。
こういう時のさり気ない優しさは好きです。
その動機が「Aと二人きりになれる」というものでなければ本当に良かったです。
「…あー猫いいなあ」
「俺はAの方が良いな」
「久々だなそれ。急にぶっこむなよ」
ゴミ袋を玄関横に置いて、塀の上で寝ている猫を触ろうと手を伸ばすが届かない。
背が足りねえ!こなくそ!!
「A」
「!…なんすか」
急に名前を呼ばれ、一瞬ビクッとしたものの平然を装って振り返った。(結局猫には触れなかった。)
「…Aに一つ、頼みたい事があってな」
「ああ、それならまだ待って。まだ友人達に別れの挨拶してない」
「えっ、何の話だ?」
「いや、さっさと友達に離別の言葉をLI○Eで伝えなきゃなって。さよなら言わなきゃ」
「待て、一体何の話をしているんだ」
初めて私がカラ松兄さんに「wait」と言われた。
コイツに言われるのはなんか屈辱的である。
「だって…私はもう二度と陽の光を浴びる事のない世界へ閉じ込められるんだ、当然だろ?だからせめて友人Aちゃんだけにはさよならって直接言いたいな…でも多分「何言ってんの松野。は?」って冷たく返されそうだ…それでもいいけどさ…ハハハ」
斜め下に目をやってボソボソ呟く私を見て、「おいどうしたんだA?」と本気で心配するカラ松兄さん。
私の発言にも首を傾げる。
「二度と陽の光を浴びれない?何故だ?」
「えっ…だって、私ストーカーされてたんだよ?兄さん怒ってないの?」
「…今更なんだ急に」
「だって兄さん、今までのパターンだとこんな事があったらもう私を学校なんかへ行かせないでしょ?」
「Aがそう望むのなら俺は喜んで手足を縛って一生外へは出さないようにするが…」
「えっ」
割と冷静な声でそう返された。
頭おかしいのは全然変わらないけど。
コイツ、そこまで怒ってないのか…?
今までだったら、
ストーカー発覚→許せん!Aを閉じ込める!もう二度と外へは出さない!→A拘束→完!〜ご愛読有難うございました〜
みたいな感じなのに。
第63話「天国と地獄の両方を垣間見る事が出来た」→←第61話「れっつミンチparty?よし阻止するぞ」
3943人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こま - シンプルに言って好きです!カラ松のちょっと病んだ系のギャップえぐすぎて口から内蔵でましたwガチ、永遠に続いてほしいです!すべてが完璧すぎてもう毎日満面の笑みで一日を過ごしています!w続き楽しみに待ってます!!! (10月25日 19時) (レス) @page43 id: aa7af232a4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - めっちゃ好きです!!れお願いします!!!続き待ってます!!! (8月30日 22時) (レス) id: a39746ca53 (このIDを非表示/違反報告)
桃 - 超おもろい………続き待ってます!!!! (5月20日 23時) (レス) @page43 id: 4a7b17e5bc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 続き待ってます···! (2022年4月7日 22時) (レス) id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらっち - 本当にもう好きすぎます... (2022年3月27日 1時) (レス) @page43 id: ab3ad11547 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぱんこ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月28日 16時