社会人になる筈だった私の就職先は『鬼殺隊』と呼ばれる組織に決定しました。参【鬼滅の刃】

第佰廿陸話「回復」 ページ41

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めっちゃリハビリ頑張った甲斐があった。
寝る暇も惜しんで発声練習してた甲斐もあった。



「もーかんえきに回復したぜ！！」

「多少呂律が回ってないので完璧とは言えませんが、まあ来た時よりは回復しましたね。おめでとうございます！」

「ありあとーアオイたん！！」

「おめでとうAちゃん……短い間だったけど君の声を夜通し聞けて嬉しかったよ……」

「……ごえん善逸くん、夜な夜なしゃえって」



隈を作った彼、善逸くんにそう言われ、思わず上げてた手(ガッツポーズ)を下げた。

ホント巻き込んでごめんな善逸くん。君の耳の良さはこういうところで裏目に出るよな。夜な夜なボソボソ喋っててごめん、君の手足も早く長くなってくれるのを願います。


肩の傷は少し痕となったものの、痛みはもうとっくに消え去った。これも戦の勲章と言えよう。



「オメデトウ。ヨク頑張ッタネ」

「きいもあやくきえんなおしなお」

「？？」

「『君も早く機嫌直しなよ』って」

「オレ弱カッタ、ゴメンネ」

「だぁぁーっ、また凹んじゃってお前は！！」



……一番傷を負ったのは彼なのだろうか。心身共に抉り取られてるらしい。だから何でそんな落ち込んじゃってるのよ山の王。おやびんがそんなんじゃ子分はどうすりゃいいのよ。いのっちさんってば。


今日から薬を飲む必要はなくなり、只管身体の感覚を取り戻す日々となった。まあいつもと変わらないけどね、歩行訓練に多少早足で動く事を付け足すくらいで。



握力が10くらいしかなかった私の手を日々アオイちゃん達がにぎにぎと強く按摩してくれたおかげで、今では前程の握力を取り戻した。

嬉しい！ようやく箸が持てる！ず〜〜〜っと食べさせてもらうか隠れて手掴みで食べてたから嬉しい！後者はアオイちゃんに見つかったらコテンパンに怒られたけど！確かにあの時の私は猿だなって思ったけど！


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