【愛され狙い出現】皆様、頭のネジが緩んでいませんか。【キメツ学園】

「小悪魔な天使」 ページ12

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「Aっ」



放課後。
帰宅部である私はさっさと帰るべく相棒(チャリ)を引いて門へ向かおうとしたら、ぽすんと腰に柔い衝撃を食らった。

横を見る。可愛らしい顔が至近距離にあった。



「早速眼福を有難うございますむいたゃ……」

「え？何？」

「何でもないのごめんね……」



拝むように手を合わせれば彼は不思議そうに小首を傾げる。可愛いおぉん、至福…………

時透無一郎くん。14歳のれっきとしたショタ。因みにご近所さんである。とても可愛い。出会った時に気付いた、推せると()



「A、もう帰るの？」

「うん。やる事無いしね」

「なら俺も帰る」

「エッ、君部活は……？」

「今日は休み」



あれ、そうなの。
なら良いか、むいたそは朗らかな笑顔で「さ、帰ろう」と手を引っ張った。きゃわわ。ショタ万歳。不審者に誘拐されないようにしなよ！



「あっ。やべ、ごめんむいくん！ちょっと教室に忘れ物しちゃったから取りに行って来る」

「え、何忘れたの？」

「弁当箱。すぐ戻るから待っ」

「俺も行く」

「えっ」



腕をガシッと掴まれた。真面目な顔をしているがむいたんちょっと待ちな？



「中学生が高校生の教室入るのってオッケーだっけ……？」

「放課後だしちょっとくらい良いでしょ、行くよ」

「アッハイ」



しかし力強いな君。
ぐいぐい引っ張られて1年専用玄関に到着。彼は直ぐ私の靴箱を見つけて「はい」とご丁寧にスリッパを渡される。見つけるのやけに早かったな。



「ありがとう。何なら君が履いても良いのよ？」

「馬鹿な事言ってないでさっさと履く」

「ウッス」



私より年下の子に一蹴された。うける(白目)
彼の言う通りさっさと履いて、そして階段を登り教室に入れば、教室に残ってた男女数人に囲まれた来海さんの姿。……あれ、意外にも赤黄青の彼らがいない。



「どこ？Aの席」

「あ〜、あの集団の右斜め後ろ」

「分かった。……あの、邪魔だから退いてくれる？」



すっげえ塩対応だなむいむい〜〜。ブレねえな。

私の席に座っていた男子(武田)を冷たい目で見下ろしむいむいがそう言えば、彼は若干戸惑いつつ素直に退いた。
そうだよな、むいむいの絶対零度並の視線向けられると滅茶苦茶辛いもんな、前に冗談で「むいむい嫌い〜(笑)」って言ったら「は？」って真顔で返され早口で(しかもめちゃくちゃ淡々と)捲し立てられたから最早トラウマである。



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