第枯伍話「この胸を焦がす何か」 ページ41
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「(終わったなぁ……)」
長かった。屋敷の中で何日も駆け巡った日々を思い出す。
にしても、鼓の攻撃は本当ヤバかった。凄く怖かった。
炭治郎くんが生きててくれて良かった。怪我してたけど。
足痛い。
お腹空いた。
「(ダメだ、疲れの所為でIQが5くらいの感想が延々と出てくる……)」
下手したら最終選別初日の出来事を超えたかもしれない。それくらい疲れた。今はただ、グッスリ眠りたい。
「嫌だ嫌だ嫌だ!!正一君は強いんだ!!正一君に俺とAちゃんを守ってもらうんだ!!」
「何してんだお前」
つい口からそんな言葉が零れた。
めちゃくちゃ呆れた声が出たわ今、この世界に来て初めてだわこんな声音。いやアホか善逸くんは。
「正一君は強いから、俺とAちゃんを守ってもらうんだよ!!」
「コピペか」
「え?」
「いやごめん、何でもない」
「善逸!正一君は嫌がってるだろう!!」
子を叱り付けるような口振りで、炭治郎くんは善逸くんの首に後ろからチョップを打ち込んだ。いや力技〜〜!!
まさかの手刀(かなり強め)をくらい、善逸くんは気を失った。いいな、私も彼に手刀くらって眠りたい。泥のように眠りたい。やばい私今自分の命顧みなかった怖い、疲れって怖い。
やったね、下山だって!
カラスがガーガー鳴きながら『サァ、ツイテ来イコノ私ニ!!』と空を旋回するように飛んでいる。
先程三兄弟プラス私諸共飛び降りた少年と別れ、今は炭治郎くんと彼によって気を失った善逸くん、いのっちと私の4人で案内するカラスを追い山道を歩いていた。
……いや、4人じゃないな、確か炭治郎くんが抱える箱には鬼が……うーん、何故彼は鬼を連れているんだ…?不思議。なんか聞き辛いなぁ……
心成しか、胸の奥がズキズキと痛む。
恋か?ふざけんな違う、そんな甘酸っぱい香りはしないし、するなら血の香りがします。
「(天柱さん、前の約束覚えてますよね?私は人を襲わない鬼は斬らない。この目で見ない限り絶対に。
そうじゃなきゃ、無差別だなんて、そんなの貴方の嫌っている鬼と一緒だからね)」
鬼を一等恐れ嫌う貴方の事だ、きっと炭治郎くんが連れ歩く鬼に反応したんだろう。
胸を押さえる。ズキズキとした痛みは止まらず、あれもうこれ恋だって思えばかなり和らがない?とまで考えたところで、前を歩いていた炭治郎くん(グッタリした善逸くんと箱を抱えている)が急に振り返って私の顔を見た。
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第枯陸話「酷似している」→←番外噺「夢主に聞いてみた」嘴平伊之助編
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ぱんこ(プロフ) - みしろさん» コメ有難うございます!神ではないんです、ただただ妄想を吐き出すのが得意な一般ピーポーなんです…(〃ノωノ)更新頑張ります〜〜! (2019年7月21日 17時) (レス) id: 3e4c0c522b (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこ(プロフ) - ほにゃさん» コメ有難うございます!私の作る小説は悉くキャラが病んでいくので不思議ですね!笑 これから彼をどう動かそうかちょっと悩んでます…( ˘ω˘ ) (2019年7月21日 17時) (レス) id: 3e4c0c522b (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこ(プロフ) - 黒酢さん» コメ有難うございます!キャラの性格を掴むのには苦労しました…炭治郎冷たいですか?笑 自分では全く分からないです(゚-゚;)これからはもっと優しいキャラにしていきます!笑 (2019年7月21日 17時) (レス) id: 3e4c0c522b (このIDを非表示/違反報告)
ふーゆず(プロフ) - 善逸ゥ!ゴボアゴボン”ン”(吐血音)最高かよ…ッ! (2019年7月20日 19時) (レス) id: 63500bc6f8 (このIDを非表示/違反報告)
みしろ(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいてます。テンポ良く読みやすいです。貴方様は神か……(合掌)陰からひっそりと応援しております!!!!! (2019年7月20日 12時) (レス) id: 509e58e731 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年7月15日 16時