捌、『残響』 ページ8
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眠れるわけがない。
布団を被り、じーっと天井を見つめているのは何を隠そう私である。
あの後、悲鳴嶼さんにチクる様子の無い私を見た子供達は「獪岳と共犯ではなかった」と理解したらしく、普通に接してきた。「さっき腕、強く掴んでごめんな」と、少年は謝ってきた。
それが酷く恐ろしく感じた。
子供1人を手酷く罵り追い出しておいて、そんな優しさがあったのかと。
目を閉じて、思想に浸る。
この部屋には私1人だけだ。何となくご飯も胃を通らなくて、1人抜け出し布団の中に篭っていた。
確かに彼は金を盗……んだのかは分からないが、仮に、仮に本当に盗んだとして、全く身寄りの無い子を強引に追い出すのかと。助け合い根性どこ行ったんだと。
ここは寂れた寺で、細々と暮らして行く為の資金を奪われたとて………ああ駄目だ、彼らのやった事は世間的には正しいんだ。いつの間にか獪岳くん寄りに考えていたが、違う。この子達にも生活があるんだ。あ〜……
「(にしても、どうして獪岳くんはお金を盗んだんだろう)」
欲しい物でもあったのかな。
この時代、娯楽なんてもの無いもんな。スマホが無いと気付いた時には絶望したものだ。生きてる価値が見出せないアレだ。完全に依存してて笑った。でもなんだかんだ生きてるから多分これからも生きていける。
「(無事だろうか、獪岳くん)」
今の時期は寒い。布団を被っていても寒いんだから外なんてとても寒いだろう。
震えていなきゃ良いな、あとお腹空かせてないかな、明日は握り飯持って探しに行こう……なんて、そう考えながらふと目を開けた。
眼前に、黒。
「ビャッ」
吐き出しかけた悲鳴は手で塞がれた。
ちょ、待っ、いつの間に？いつの間にちょっと、ええ？
何。誰？暴漢！？！？
「A、俺だ」
しかしその声は、見知り過ぎたものであり。
「…………ぁ、かいが、っお兄ちゃん……？」
「ああ」
そうだ、と彼は呟き、手を離した。
暗い部屋の中ぼんやりとしか見えないが、確かに獪岳くんだった。私の枕元で正座して、私を見下ろしている。
探す手間が省けましたねやった。じゃねえ、何で君が此処に……？
彼はきょろきょろと周りを見渡す。この寝室で寝ているのは私だけと分かると、また私に視線を寄越した。
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�桟鈬�(プロフ) - コメ失礼します！メチャクチャ好きです！！(唐突)更新頑張ってください！ (2020年11月2日 17時) (
レス) id: a8b4b5bef5 (このIDを非表示/違反報告)
葵羽(プロフ) - 獪岳の存在が気になりはじめたのはぱんこさんのおかげです！更新楽しみにまってます！応援してます！ (2020年3月23日 17時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
零華 - 初コメ失礼します！！。最&高のウィンウィンです！！(何いってんだろうか)更新再開するのを楽しみにしています！！。(*^^*)ｶﾞﾝﾊﾞﾚ! (2020年3月18日 7時) (レス) id: f56491ae0c (このIDを非表示/違反報告)
アムネ(プロフ) - すごく面白いです。続きが気になります！更新再開するのを願ってます。 (2020年1月8日 19時) (レス) id: 9a6a9cf4a1 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - めっちゃ好きです！頑張ってください！ (2020年1月3日 15時) (レス) id: 57c609d2c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱんこ
| 作成日時：2019年10月16日 16時
