廿陸、『気の使いよう』 ページ26
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雷鳴の如く現れた善逸くん。
彼は滅茶苦茶に獪岳くんの地雷を踏み抜きまくっている。
まず私と会う度毎回律儀にプロポーズしてくる。お花とか渡された事がある。やだ〜〜メルヘン。
しかし面倒ごとはご免なので、受け取る事はせず毎度毎度しっかり丁寧にお断りさせてもらっている、が。また次すれ違えばプロポーズを受ける。君は101回目のプロポーズでも目指しているのか。
知ってるか、しつこい男は嫌われるんだぜ。
あといい加減な、獪岳くんからの視線がエゲツねえからやめてくれよ。何で私が責められてる感じになってんのかが解せん。
あと物凄く泣き虫。善逸くんも獪岳くんと共に慈悟郎さんから特訓を受ける事になったが、まあ9割の確率で泣いている。ほぼ99%泣いている。泣き噦るというか泣き喚いている。
縁側で彼らの姿を眺めていれば、「死ぬって!ほんとに死ぬって!!!」と今日も善逸くんは泣いた。最早鳴き声みたいである、そして隣でクソ真面目に修行する獪岳くんの額に青筋が浮き出るのが見えた。………あ、木刀で善逸くんをぶん殴った。彼も限界のようでした。
「(絶対獪岳くんの苦手なタイプだよなぁ……)」
水と油の関係みたいだ。決して混じり合う事なく互いに反発し合って。というか善逸くんはそんな事も無いけど、獪岳くんがめっちゃくちゃに彼を嫌っているのが分かる。
態度があからさまなのだ。私と慈悟郎さんに対する態度と全く違う。名前を呼ぶところなんて見たことがない、いつも「おい」か「お前」か「カス」なのである。熟年夫婦レベル99かよ。
はぁ、と溜め息を吐き出し、背を仰け反らせ空を仰ぐ。暑くなってきましたな。手で仰いで頰の熱を冷ます。その時首から紐で下げた勾玉が陽に照らされキラキラ光った。
……綺麗な色だよねほんと、黒曜石。ツヤツヤして輝いている。日に当てて、小さく空いた穴から彼らを見てみれば、獪岳くんと目が合った気がした。
勾玉を下げて彼の方を見ると、彼は外方を向いて刀を構えていた。………気のせいかな。
と、思えば今度は善逸くんと目が合った。今度はばっちりである。何なら今でも目が合っていて手を振られたので、何となく振り返した。めっちゃ嬉しそう。…………あ、2人に刀(獪岳くんは木刀、慈悟郎さんは竹刀)でぶっ叩かれた。どんまい。
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桟鈬(プロフ) - コメ失礼します!メチャクチャ好きです!!(唐突)更新頑張ってください! (2020年11月2日 17時) (レス) id: a8b4b5bef5 (このIDを非表示/違反報告)
葵羽(プロフ) - 獪岳の存在が気になりはじめたのはぱんこさんのおかげです!更新楽しみにまってます!応援してます! (2020年3月23日 17時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
零華 - 初コメ失礼します!!。最&高のウィンウィンです!!(何いってんだろうか)更新再開するのを楽しみにしています!!。(*^^*)ガンバレ! (2020年3月18日 7時) (レス) id: f56491ae0c (このIDを非表示/違反報告)
アムネ(プロフ) - すごく面白いです。続きが気になります!更新再開するのを願ってます。 (2020年1月8日 19時) (レス) id: 9a6a9cf4a1 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - めっちゃ好きです!頑張ってください! (2020年1月3日 15時) (レス) id: 57c609d2c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年10月16日 16時