金髪君に散々貢いで貰ってたら、いつの間にか形成逆転されかけた話。【鬼滅の刃】

丗捌、『幸薄の娘』 ページ39

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大人の！余裕を！見せつける筈が！！私がリードしてあげる筈が！！………何故に。


息を吸い込み、どぼんと潜った。
ゆらゆらと体に巻いた布が揺れる。このまま泳いでやろうかな、やる事なす事小学生みたいだな。

口から息がもれ出し、ぶくぶくと泡が水面へ上がっていく。



何故こうもリラックス出来ているんだろう。



私がこれからやることは、最早己を殺しにかかっている行為だ。


ごんえもん君にバレたらタダでは済まないどころか絶対殺される、嫉妬というかあれは、恐ろしい位の独占欲なんだろうな。律儀に毎回痕を付けるって事はそういう事なんじゃないだろうか。

「別の野郎のモノになるくらいなら……」精神を持ってそうな彼。多分アイツは如何に人を苦しませながらじわじわと甚振り殺す方法を知っている筈だ、日頃のDVで良く分かった。……心の底から分かりたくなかった。



「(………月がもう、消えそうだ)」



潜ったまま見上げれば、ぼんやりと光を放つ月が見えた。月の大半は太陽の陰に隠れてしまい、光を反射している箇所は残り僅かになっていた。


私が彼処で過ごす時間も、残り僅かである。
タイムリミットは、着々と迫って来ている。



あ〜〜、覚悟を決めないと。ふわっふわな脳内でも一応心に決めたんだ、絶対私は逃げる。鬼に殺されたくは無いけど、人にだって殺されたくは無い。



最悪、結婚相手が見つからなくとも遊女……に仕える禿にでもなれば生きていける。
私の技量舐めんなよ、あの理不尽野郎に日々こき使われ(意味深)培われたこの猫被り能力！更には三歩下がり淑やかに付き添い、慎ましくお世話せんとする尽くし技術！

例え花魁さまがパワハラ満載の人だとしても多分大丈夫。どれだけあの暴力に耐えて来たと思ってんだ、舐めんなよ！へけっ。



最早貞操観念がガバガバな私だけど、流石に遊女にはなれないだろう。テクとかそういった話ではなくて、その、万一に鉢合わせでもしたら死ぬ…………これ以上は言わない。個々で察してください宜しくお願いします。



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