金髪君に散々貢いで貰ってたら、いつの間にか形成逆転されかけた話。【鬼滅の刃】

丗、『カラスは鳴いた』 ページ31

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ああ、殴られたのか。でも拳じゃなくて平手で良かったと心から思った私は完全にDV慣れした哀れな女です本当に有難うございました。



「お前がもたもたするからだろうが」



酷く苛立ち気に彼はそう吐き捨てた。
目を背け、か細い声で「ごめんなさい、」と呟けば、彼は私の謝罪を鼻で笑って一蹴した。



「……まあ良い、あの町の近くにあるしな……帰りに寄れば良いか」



そう呟いて、彼は若干着崩した隊服を直し、そして「じゃあな、今日も大人しくしてろよ」と言い放って、黙ってその様子を見つめていた私に背を向け出て行ってしまった。


玄関の戸が荒々しく閉められた音がした。



そして、漸く私は脱力したようにその場に倒れ込んだ。
物凄くでかいアンド長い溜息を吐き出す。



「………………あー、久し振りに死ぬかと思った……」



ハァ……ともう一度溜息を吐き出し、布団の上にゴロンと転がった。

あのクソ野郎、普通に殺す気だったな。首締められた時流石に「死ぬ」って思った。一瞬視界が白くなったし若干川みたいなの見えた。ヤダーーッ完全に三途の川じゃんヤダーー……



一糸纏わぬ姿のまま、私は未だ窓際にいたカラスに目を向ける。

意思疎通なんて無理だと思ってたのに、あんなに喋れるとは思わなかったなぁ、



「………不可抗力でも助かった。有難うね」



そう零せば、カラスは「ガァ」と鳴いた。……どんな感情？
何だか面白くなってうふふ、と笑えば、カラスは真っ黒な目を瞬かせ、私に背を向ける。



「………オマエノ餌、マアマア美味イゾ」

「え」



そう言い、カラスは「カァァーーッ」と鳴いたと思えばそのまま飛び去って行った。


呆然と見送る私。



「…………いつもいつも、残飯でごめんね」



今度からはちゃんと作ってあげるから、


初めて私が作るご飯の感想を言ってくれたカラスに向けて、単純な私は嬉しさを隠さずそう言った。



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