金髪君に散々貢いで貰ってたら、いつの間にか形成逆転されかけた話。参【鬼滅の刃】

枯捌、『切り取られた』 ページ10

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ここは私のような鬼殺隊員では無い子も働いているらしい。しかもみんな女の子だという。天国か？

私は鬼殺隊員とは直接関わることのない、謂わば「お手伝いさん」として家事のアレコレを任される事になった。
得意分野です有難うございます。食事洗濯掃除ばっちこい。培われた力をここで発揮するのよ……！



しかし。しかしだ、１つだけ生じた疑問がもわもわと膨れ上がり、いつの間にか私は手をぴん、と天へと挙げていた。



「どうされました？」

「あの……ここって、色んな鬼殺隊員の方がいらっしゃるんですよね」

「そうですね、任務で深手を負った隊員は大抵此処へ運ばれます」

「………その、此処に、階級「甲」の片桐権右ヱ門って人、来たことありますか」



ぎゅううと善逸君の手を握り、恐る恐る問いかけてみた。
名を出すだけで滅茶苦茶緊張する。どうしようもない程の憂虞が身を包む。


下に向けていた目線をちらり、と前に向けてみる。



彼女の整った顔から、微かに笑みが消えていた。



「(えっ)」

「……いいえ、その方がうちへ訪れた事は有りませんね。彼が大きな怪我を負った姿を見た事も無いですし」

「……そ、うです、か」



思わずほ、と息を吐く。
それで「此処によく来ますよ」なんて言われたらもうどうしようも無かった。良かった〜〜確かにあの人が怪我したとこあんま見た事無かったしな、えっ普通に強くね……？怖……畏怖る……



「どうしてそのような事を？」

「……えっと、その〜」

「彼女の昔の、む、か、し、の！……恋人が、ソイツだったんで」

「あら、そうだったんですか。それは……何というか、大変だったでしょう？唯我独尊を表したような彼が相手だと……ああ、すみません。幾ら終わった仲とは言え貴女の昔の想い人さんを貶すような事を言ってしまい」

「あ……えへへ、お気になさらず」



思わず引き攣った笑みが溢れた。巷ですっげえ嫌われてんな元カレ。あんな暴力的じゃしょうがないよな、「唯我独尊」の塊だもんな。

………というか善逸君、「昔」を強調し過ぎじゃね？



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