佰弐、『心から思う』 ページ24
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しゅうちでしねる。
完全なる勘違いである。
彼はそんな意味でその様な発言をした訳ではないと確信した瞬間膝から崩れ落ちる錯覚がして、そして愕然とする。
真っ赤に染まった顔を隠すように彼に背を向ける。
鰻ですって。黒くてヌルヌルしてて太くて大きいのが、ねえ?私もう何も考えない方が良い気がする。
「Aちゃん」
「……はい」
「顔、真っ赤だよ?」
「………はい」
見ないでくれ。
そんな言い聞かせるように言わないでくれ。
熱く火照った頰を両手で挟んだ。
彼はそんな様子の私を見て「えっえっほんとどうしたの!?風邪引いた?熱出ちゃった!?」と見るからに慌て始めた。そんな彼は頭から血を流している。カオスか?
「ごめん、本当に大丈夫。あの、何というか、ただの赤面症的なそんな感じだから」
「……長い間君を見てきたけど、そんな顔赤くした事あった?」
「あった」
「吃驚するくらい即答だったね」
あったのよ、嘘だけど(真顔)
流石にこんな心中を暴く事なんて出来ないので、とりあえず「君の怪我の方が大切だから、鰻はまた今度にしよう」と肩ポンしてそう言った。彼は少し残念そうにしながらも「まあAちゃんとなら何だって良かったけど」と呟いていた。何でも良い?
「なら善逸君。私が何か作ってあ」
「ほんと!?!?」
「(せめて最後まで言わせてくれ〜〜)」
吃驚するくらい飛び付いてきたな君。察してたの?ってくらいの俊敏さだったな、流石だと思います(作文)
「Aちゃんの、お嫁さんの手料理……!!夢みたい!俺夢みてる可能性あるし何なら血鬼術にでも掛かってる!?」
「夢か現か分からないならビンタしてあげようか、善逸君?」
「是非お願いします!!!!!」
何だその潔さ。シンプルに引くわ。
彼は真面目な顔をして(若干頬が赤らんでいる)、目を閉じてこちらに顔を向けた。ガチなの?フリじゃないの?しかもこれ、なんかキス待ちみたいじゃないの善逸君。可愛い顔しちゃってま〜〜……一瞬オバちゃんになってしまう有様である。
「行くぜ」
そう言って、手を振り被る。
彼は可愛らしい眉をきゅっと上げた。
一瞬の、空を切る音。
_____やっぱり暴力事は嫌いだ。
そっと目を伏せた私は、少し考えた後彼の頰に手を添えて、おでこに接吻をしてやった。
「え、」と間抜けな声を上げる彼。
「君が無事で、良かったよ」
そう言って、にへら、と笑った。
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ゆら(プロフ) - あああああああああああ更新停止いい!続きが気になる、、、 (4月29日 23時) (レス) @page25 id: ab3ad11547 (このIDを非表示/違反報告)
餅 - 流石にこれは最高すぎる、、、、もうなんか好きすぎて何て言葉にすればいいのか、とにかく好きです!!更新まってます😢 (2022年10月10日 12時) (レス) @page25 id: cda9a90c6e (このIDを非表示/違反報告)
名無し - いや最高すぎる 、、ストーリーから夢主の性格まで全て含めて最高 … 。面白すぎてめっちゃ読んでたらこんな時間になってしまっていた笑笑 更新待ってます 、!!! (2021年12月28日 2時) (レス) @page25 id: 541045445a (このIDを非表示/違反報告)
雷霞 - 何度も読み返させて頂いてます、数ある善逸夢小説の中で1番好きです、大好きです…!! 善逸もかっこいいんですけど夢主さんの性格が好きすぎます…っ!! (2021年8月1日 22時) (レス) id: 423a130570 (このIDを非表示/違反報告)
みき - 続きを切実に所望します (2021年7月3日 23時) (レス) id: 37a3449760 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月18日 23時