虚肆、『手が差し伸べられた』 ページ10
.
我ながら面倒で、屑で、クソみたいな人間だと思う。
透き通ってるなんてそんな、控えめに言っても近所の溝レベルだと自負してるのに。
「抱かれてる最中さ、ずっとそのクソ野郎の事考えてたでしょ?……正直腑煮え繰り返りそうになったけど、君の本当の言葉を聞けて納得した」
____君はずっと、そいつに縛られて生きて来たんだね。
下を向いて畳を見つめていた私の頭に彼の手が触れた。ゆっくり撫でられる。優しさ溢れる手付きにまた涙が溢れそうになった。
だって私、頭なんて撫でられたことない。
「………善逸君。私な、今日逃げる予定だったんだ。アイツ今、遊郭居るから……お金持って汽車に飛び乗って、当ての無いツテも無い放浪旅に出ようと思った。……だから最後に、沢山お金くれた君に抱かれて、踏ん切り付いたら消えようと思った」
踏ん張ってたけど、やっぱり零れ落ちた。今の私の涙腺はお股同様ゆるゆるのユル子なので仕方ない。心とともに決壊しているのだ。
「今まで有難う。こんな私に優しくしてくれて有難う。あのお金と、箪笥の中に仕舞ってある分は君に返す。使った分は、その、今は身体でしか返せないけど____」
「ねえ、その事で言いたい事があるんだけどさ」
「え?」
「俺の元に嫁いでおいでよ、Aちゃん」
「………………出来ちゃった婚でも目指してるの?」
「ごめん、意味が分からない」
私も唐突の
.
2310人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵羽〜best friend group〜(プロフ) - 善逸の誕生日ということで、「善逸君はぴば!」のお話を見にきました…何回読んでも面白い…凄く好きです…! (2020年9月3日 14時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
聖 - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月17日 20時) (レス) id: 5aaa39b99e (このIDを非表示/違反報告)
もこ - とてもすき! (2019年9月17日 12時) (レス) id: fcbb1370f0 (このIDを非表示/違反報告)
まえむ - え、鴉かっけぇ…続きが気になりすぎます!!!更新頑張ってください!! (2019年9月17日 1時) (レス) id: 572cac2bfb (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!何だかハラハラする展開…!続きも気になります(o>ω<o) (2019年9月15日 5時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月1日 11時