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虚参、『音と色』 ページ9

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何だか腹が立ったので、布団で隠していた彼のアレ目掛けてデコピンしてやった。

そしたら変な声を上げてひっくり返ったので良かった。
滅茶苦茶笑ったら器官の方に唾が流れてしまったようで激しく噎せた。死ぬかと思った。



「Aちゃ……ん、っ大丈夫……?」

「天罰だわ。ゲッホ……君のソレにデコピンかました罰」

「……凄く平和な罰だね」

「そうだね」



平和だけど不毛だわ。
なんかもう疲れ切って、その場にゴロンと寝転がる。僕はもう疲れたよパトラ○シュ……てかどんだけ悶えてんの善逸君。



「………君から貰ったお金な、最初は確かに彼氏と結婚する為の費用として貯めてたんだけどさ、貯まるお金と比例してさっきみたいな不満が溜まって、結局やめて自分の物として使ってた」

「待って、じゃあ俺の金は君の恋人基クソ野郎には使ってないって事?」

「……そうだね。使ってないな」

「何だ、良かった。俺の金がクソに触れられる事が無くて本当良かった」

「何に喜んでんの」



分からなさ過ぎるよ、君の喜びポイント。
善逸君は嬉しそうに笑いながら「俺のお金は君の物だから君だけが使ってね」と言った。勿論そのつもりだと素直に頷いた。あといつまで目ぇ閉じてんの君、身を起こして彼を見る。



「……後さ、この際だから謝っとくけど昔さ、借金取りにボコられてた君を見捨てようとしてごめんね」

「え?……俺、見捨てられそうになってたの?」

「え?」



え?


……どうやら私達の間で変な思い違いがあるらしい。
私は見捨てようとさえして、それでも行く末が気になってガン見してただけなんだけど。



「あんなに俺を心配してるような音、初めて聞いたよ。綺麗で透き通っていて、一瞬誰からの音か分からなかった。最後じいちゃんに引っ張られてった時、君の姿がチラッと見えて確信した」

「透き通った音?なら違うね、私なんてドブみたいに濁って茶ばんだ音だから」

「そんな音が君から聴こえた事は無いから安心して」



いやいや絶対そうでしょ、私みたいな人間なんて特に。



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虚肆、『手が差し伸べられた』→←虚弐、『偽りと真』



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設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸 , トリップ   
作品ジャンル:恋愛
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葵羽〜best friend group〜(プロフ) - 善逸の誕生日ということで、「善逸君はぴば!」のお話を見にきました…何回読んでも面白い…凄く好きです…! (2020年9月3日 14時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月17日 20時) (レス) id: 5aaa39b99e (このIDを非表示/違反報告)
もこ - とてもすき! (2019年9月17日 12時) (レス) id: fcbb1370f0 (このIDを非表示/違反報告)
まえむ - え、鴉かっけぇ…続きが気になりすぎます!!!更新頑張ってください!! (2019年9月17日 1時) (レス) id: 572cac2bfb (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!何だかハラハラする展開…!続きも気になります(o>ω<o) (2019年9月15日 5時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月1日 11時

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