近壱、『徘徊』 ページ36
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町から抜けた後はやはり全力疾走した。久しぶりの運動にもうヘトヘトである。
膝が笑っている。もの○け姫のコダマ並みに笑った。あれって笑ってんの?首傾げてケケケケケってなってるだけ?分からんな、そもそも私はジブリと言えばラピ○タ派だ。バ○ス!!!!!!
そして漸く、あの家に着いた。玄関の前に立ち、乱れに乱れた呼吸を整える。血の味すらするんだけど、急な運動した所為で私の肺破れてない?肺胞生きてる??
「リーテ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バル・ネトリール、リーテ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バル・ネトリール、リーテ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バル・ネトリール………」と飛行石を持って無いそもそもラピ○タの一族でも無い私が必死に唱えながら、玄関の戸を恐ろしくゆっくりな速度で開ける。
履物、無し。
つまり、あいつ、いない。
「………早くしなきゃ」
居ない今がチャンスだ、もしかしたら直ぐにでも帰ってくるかもしれない、早く準備して、善逸君の元に行かなければ。
流石に40秒で支度は出来ないので、とりあえず静かに草履を脱いで廊下を歩く。元々住んでいた家なのに、何故か他人の家に忍び込んだみたいな感覚がする。
「(………やばい、ちょっと、なんでビビってんの私)」
廊下を歩いていた時ふととある部屋を見た瞬間、微かに身体が震え出した。
前日、元カレに放り投げられ身包みを剥がされ首を絞められた部屋だった。あまりの苦しさに死を覚悟した場所。
…………あ〜〜〜駄目だ駄目だ、逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ、今から逃げるんだけどそれとは別だ逃げちゃ駄目だ…………早く逃げよう。
開いていた戸をスパン!と閉める。ここには何の用も無いので見ただけ損である。時間返せ!!
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葵羽〜best friend group〜(プロフ) - 善逸の誕生日ということで、「善逸君はぴば!」のお話を見にきました…何回読んでも面白い…凄く好きです…! (2020年9月3日 14時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
聖 - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月17日 20時) (レス) id: 5aaa39b99e (このIDを非表示/違反報告)
もこ - とてもすき! (2019年9月17日 12時) (レス) id: fcbb1370f0 (このIDを非表示/違反報告)
まえむ - え、鴉かっけぇ…続きが気になりすぎます!!!更新頑張ってください!! (2019年9月17日 1時) (レス) id: 572cac2bfb (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!何だかハラハラする展開…!続きも気になります(o>ω<o) (2019年9月15日 5時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月1日 11時