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*弐! ページ27

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舐めやがって、ちくせう。
しかし私は弱々のクソ雑魚なのである。刀すら持ってない町娘、そんなレベル1スライムがあの小か中ボスあたりの奴に勝てる訳がない。てか何で私は此処に居たの!!善逸君の足引っ張るだけじゃん、あまりの情けなさに私まで涙が出そうになる。


そしたら「ごめん、」と小さな声が聞こえたと同時にひょい、と片手で抱えられ、なんか物凄いスピードで移動したかと思えばいつの間にか木の上にいた。
圧倒的な説明力不足。口で説明出来るのはこれが精一杯なのである。

目の前に涙を零している善逸君がいる。背を木に預け、凭れかかる私を守るように腕で閉じ込めている。

彼の涙が頰に付いた。私は静かに彼の頰に手を伸ばす。



「っ!!だ、駄目、Aちゃん!触っちゃ」

「良い。別に移ったって良いよ、善逸君。……優しい君となら、例え蜘蛛になったとしてもきっと愛し合える」



大粒の涙を指で拭う。彼の丸い目が見開かれた。
その間もこちらを面白可笑しく眺めていた蜘蛛はニヤリと笑う。



「何だ、お前も蜘蛛になりたいのか、女!ならお前にも毒を」

「要るかバーカ。お前の下に着くつもりはねーんだよ、大体人の言葉喋んなこの薄汚え毛むくじゃらが。喋るんなら無駄に多い足引き千切って二足歩行で歩け話は以上だバカが死ね」



善逸君に抱き着き、蜘蛛に向かってべぇ、と舌を出した。バーカバーカ、誰がお前のドレイになるかバーカ!独占欲強い彼氏は嫌われるよ、お前もアイツも。但し善逸君は除く。

普通に喧嘩売っちゃったけど後悔はしていない。蜘蛛は明らか激ギレですがどうでも良い。でもあんな人面蜘蛛になるなら、自決……うん、それも嫌だ。何か起死回生の策は無いのかしら。


……善逸君。君は、こんな私を好きだと言ってくれた。「愛してる」とさえ言ってくれた。君が望むなら私は、君と共に果てる道を選びたい。あの地獄から救ってくれた君となら、きっと今死んでも後悔は無いわ。



そんであの蜘蛛嫌い。一矢報いたい。しかし私に出来るのは挑発だけだ、友達も恋人も居なさそうなクソ陰気なアイツに、何か……そうだ



「善逸君、こっち向いて」

「え、ンッ!」



彼の顎を指で掬い、接吻してやった。ぬるりと舌を絡ませ、アイツによって意味も無く培われたテクを披露してやる。
思い切り場違いな音が響き、荒い息が木霊する。下にいた人面蜘蛛達は黙ってこちらをガン見していた。真っ直ぐこっちを見つめんな、せめて瞬きしろよ。



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*参!→←【 善逸君はぴば! 】*壱!



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設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸 , トリップ   
作品ジャンル:恋愛
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葵羽〜best friend group〜(プロフ) - 善逸の誕生日ということで、「善逸君はぴば!」のお話を見にきました…何回読んでも面白い…凄く好きです…! (2020年9月3日 14時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月17日 20時) (レス) id: 5aaa39b99e (このIDを非表示/違反報告)
もこ - とてもすき! (2019年9月17日 12時) (レス) id: fcbb1370f0 (このIDを非表示/違反報告)
まえむ - え、鴉かっけぇ…続きが気になりすぎます!!!更新頑張ってください!! (2019年9月17日 1時) (レス) id: 572cac2bfb (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!何だかハラハラする展開…!続きも気になります(o>ω<o) (2019年9月15日 5時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月1日 11時

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