虚玖、『月』 ページ15
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「………てかさぁ、そういえばさぁ、なんで嘘付いてんのが分かってたのに私にお金くれたの」
「……君の事、本気で好きになったからかな。最初は確かに他の女の子同様に一目惚れして、君の言葉を信じて貢いでたけど……途中で重苦しい何かを隠してるんだって気付いた。
嘘吐きな君の本当の笑顔が見たくなってさ。正直な話ね、今までお付き合いしてきた女の子の中でも飛び切り優しくされたから確かにあわよくばって気持ちもあったよ。手も初めて繋いでくれたし、なんかもう、色々御奉仕してくれたし……？」
「最後の方不純過ぎるやだ……」
「確かにね、ごめんね、俺も駄目なクソ野郎だね」
「お互い様だね」
「……そうだね」
完全に不毛な会話である。
全然やめる気は起きない、けど。
「貼り付けた笑みを引き剥がしたくなった。君の本当の姿を見て見たかった。その為ならお金を渡すくらい何とも思わなかった。
………君を、本気で愛したいって、思った」
「……うん」
………はち切れんばかりの愛でもうお腹いっぱいよ、私。
さっきからもうね、分かってたから。君から向けられる好意が最早突き刺さってたから。
君も大概変わった子だよねぇ、なんて。
随分と君に心を揺さぶられた私が言えないよな。
彼の背に腕を回してぎゅうう、と抱き締めた。
あんなに拘ってた月は、きっと彼に見立てていたのだ。
嫌いだった夜を照らしてくれた月。偶然にも、今の君と同じ色。見るだけで救われたような気がしたのはきっとその所為。
消える月に背を向けて逃げ出そうとした。君が消えると勝手に想像してさ、馬鹿だなぁ私は。消えようとしたのは私の方だったのに、一体何に怯えていたと言うのか。
微かに見えた月は雲に隠れて見えなくなったが、私の目の前には君が、
縋るように手を伸ばせば、君は優しく掴んでくれる。
過去の自分を凌駕して、君と生きていけるなら。
「有難う、善逸君。………………私も愛してる」
きっと、出会った時から、私は君に＿＿_＿＿＿
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葵羽〜best friend group〜(プロフ) - 善逸の誕生日ということで、「善逸君はぴば！」のお話を見にきました…何回読んでも面白い…凄く好きです…！ (2020年9月3日 14時) (
レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
聖 - 面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月17日 20時) (レス) id: 5aaa39b99e (このIDを非表示/違反報告)
もこ - とてもすき！ (2019年9月17日 12時) (レス) id: fcbb1370f0 (このIDを非表示/違反報告)
まえむ - え、鴉かっけぇ…続きが気になりすぎます！！！更新頑張ってください！！ (2019年9月17日 1時) (レス) id: 572cac2bfb (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！何だかハラハラする展開…！続きも気になります(o>ω<o) (2019年9月15日 5時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱんこ
| 作成日時：2019年9月1日 11時
