ライラックの花束を【2】 (ページ2)

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「お邪魔しまーす」

「ごめん、バタバタで！どーぞ！」

「なんでスーツなの？」

スーツのシャツ姿の海斗がネクタイを外しながら
バタバタとリビングの片付けをする

「俺、一応就活生な(笑)」

教育学部の私には程遠いその言葉に

いよいよ4年生になるんだなと思い知らされる

「今日も面接帰りとか？」

「そー、まーじで緊張したわ」

「ふふ、おつかれさま。あ、これ……」

本来の目的はこれだったと

お母さんから預かった紙袋を渡す

「んまそー！！まじありがてえ！
後で俺からも連絡しとくわ！」

「うん、めちゃくちゃ喜ぶと思う(笑)
じゃあ…」

本題も済んだことだしと立ち上がる

「え、なんで？
A、食ってかねーの？」

「え、いいの？」

「逆にこれだけのために時間かけて来させる？」

「じゃあ……食べていこう、かな」

少し止められることを期待していたなんて

引かれそうだから絶対に言えないけど

期待通りの展開に
思わずにやけそうになるのを抑えるのに必死だった