陰キャとさくまの水曜日 (ページ5)

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「康二くんと目黒くんって陽キャ？」

「え、なんや急に」

週の真ん中水曜日。
週末や土日はずっと店の中駆け回ってるけどド平日の水曜は結構暇だったりする。この日バイトで入っているホール担当は私達同級生トリオだけらしい。

「康二は陽キャでしょ」

「えー、そんなことないで。大学じゃ意外と静かにしてるタイプや」

「へぇ、意外」

目黒くんが興味があるのかないのか棒読みで呟いた。暇すぎて眠いのかあくびをしている。

「A大学一緒なのに知らないの？」

「学科違うと会わないもん」

目黒くんは隣の大学だ。でも同級生だからか康二くんを交えて仲良くなり、同級生に女の子いないのか…って心配になっていた私にはとてもありがたい存在だった。意外と話しやすいのでシフトが被ると嬉しかったりする。

「そういうAちゃんはどうなん」

「がっつり陰キャ、だから陽キャは苦手」

「残念だったな康二」

「いやいや俺結構Aちゃんと仲ええと思ってんで」

例え康二くんが陽キャだったとしても今こうやって一緒にいれてるのだからまだ平気なタイプの陽キャなんだろう。

でもコミュ力があって明るい彼に初手で苦手意識を持たなかったのは確かに不思議だ。それは人の懐に入るのが上手い康二くんの力なのだろうか。

「目黒くんは陰キャじゃないけど陽キャは嫌いそうだね」

「ここに来てバカでかい声で騒いでる大学生集団は嫌いだね」

「居酒屋で働いとる人が言う事じゃないで」

結果的に康二くんのおかげで目黒くんとも仲良くなった訳だし、これからの関係性だってきっと変わらない。

それに目黒くんとは何となく考えが似ているらしい。さっき言った通り隠キャではないものの陽キャの部類ではない気がする。

まぁ、2人ともこんなに顔が整ってモテる人だろうし陽キャかどうかは別として隠キャではないのだろう。