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「なんて言うんやろ…一言で表すのムズいんですけど」
夕飯を食べ終えて落ち着いた頃に話し出してくれた康二くんはようやくその声を震わせることは無くなった。さすがに会話に参加するほどではないけどいつも通りに食卓を囲む俺たちの雰囲気に安心してくれたようだ。
「例えば…水とか、風とか…素材って言ったらいいんですかね。それを動かせる…いや、“生命を宿す”能力だって言えば分かりやすいんやろか……」
言葉を選びながら少し俯いて話す康二くん。めめも彼の能力は知らなかったらしく、真剣にその話を聞いていた。
「自在に動かすことはできないんです。ただ生命を持った素材は何があっても俺の味方…俺に忠誠心を持つんです。だから、俺を守るだとか…俺のそばに居ようとしてくれる…」
たとえば、と少し目線を上げた彼は目の前のコップを見る。そして瞳を夕焼け色に光らせるとそっと手を前に出した。
「うわ…」
「この子、僕がこんな顔してるからきっと心配してくれてるんやと思います」
するとそのコップの水が一つの生き物みたいに飛び出して、康二くんの手の上でゆらゆらと動き出した。本当に生きているみたいに……
「……俺があの人の意識飛ばせたんは上にあった電線を流れてる電流に力使ったから。この人眠らせてやって、あの子にそう言ったんです」
彼がいう“あの子”というのは上から降ってきたあれだろうか。俺の手首に向かって飛んできたのもきっとそれで。
「そうやって、
あの時の事をぼんやりと思い出していた時、彼が発した言葉にそれが全て消えた。俺が目を見開いて自分を見たので察したのか、手の上で揺れていた“その子”をコップに戻した康二くん。
「能力者…？」
「……俺が買われたんは、元々捕まっていた“裏”の人たちなんです。自分がされたように…表にいる能力者を捕まえて商品を増やす役目をしてた」
段々と声を小さくして、俺の方を見ていたのに再び俯いてしまった。
「探されてるかもしらん…逃げたら殺すって……言われてたから」
彼がずっと怯えていた理由はこれか。めめと舘さんは“購入者”を同時に捕まえたからもうほとんど問題はないだろうけど、彼の場合はそれが大元の“裏”である。
「皆さんのこと…巻き込んだらあかんと思って……」
ただ、彼の一言は自分ではなくて俺たちへ矢印が向いていた。
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ぽぷら(プロフ) - 美里さん» 美里様。お読みいただきありがとうございます！お返し遅れてすみません💦楽しんでいただけてるようでとっても嬉しいです。完結までよろしくお願いします(^^) (2023年3月31日 16時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - ayaさん» aya様。いつもありがとうございます！お返し遅れてすみません💦コメントしていただいた時よりだいぶお話が進んでますが楽しんでいただけてますでしょうか(^^)やっとこラストスパートですのでぜひ完結までよろしくお願いします！ (2023年3月31日 16時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
美里(プロフ) - 既にずっと面白いですが更に面白い展開になってきてわくわくそわそわです！いつも楽しく読ませていただいてます(^^)これからも応援してます！！ (2023年2月18日 22時) (レス) @page36 id: aee62fe4fc (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回のお話ものめり込んで読んでいます！1人ずつ仲間になっていく感じも大好きです！ヒヤヒヤドキドキのシーンでおあずけ〜(°▽°)みんなどうか無事でー！！ (2023年2月12日 19時) (レス) @page17 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 萌葱さん» 萌葱様。コメントありがとうございます！引き続きお付き合いいただければ幸いです(^^) (2023年2月12日 15時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2023年2月7日 21時
