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「っ、あ、うん」
なぜだろう、動揺してしまったのは。
今更見つめてしまっていたことがものすごく恥ずかしくなって来て。目黒くんが気づくほど目線が強かったのだろうか。そんなことある…？
『Aちゃんも上がっていいよ。お疲れさま』
「お疲れ様でした、お先失礼します」
数時間働いて客足も引き。店長が店内を見渡してから私に手を振る。22時ちょっと過ぎ。
裏に入ると既にTシャツ姿から私服へと着替えていた目黒くんがいて、私を見つけると「お疲れ」とまた爽やかに笑って言う。
「お疲れ様。意外と混んだね」
「ね、ゆっくりできると思ったんだけど」
私もエプロンやバンダナを取って上からパーカーを羽織る。外、寒いだろうなぁなんて思いながら帰る準備をしていた。
「Aちゃん、この後予定あったりするの？」
「え？予定？」
「クリスマスじゃん」
するともうあとは帰るだけくらいの格好なのにずっと従業員室の椅子に座っている目黒くんに話しかけられた。
「いや…あったらこんな時間までバイトしないよ」
「じゃあ後帰るだけ？」
「うん」
目黒くんは立ち上がり、従業員専用の小さな冷蔵庫を開けた。そしてその中から何やら箱を取り出す。
「ケーキ食べない？」
「え、ケーキ？」
「せっかくのクリスマスだしさ、ケーキくらい食べたいなと思って。２つあるから一緒にどう？」
「そんな、いいの？」
「うん」
その箱から２つのショートケーキを取り出した。今日何だか機嫌が良かったのはこれを楽しみにしてたからだろうか。
「はい」
「あ…ありがと」
帰るつもりだったけど。椅子に座り直して目黒くんと向かい合いながら何故かケーキを食べる事に。いただきまーすと一口ケーキを頬張った彼は「うまっ」って顔を綻ばせた。
「うまいでしょ」
「…うん、美味しい」
「バイト前に滑り込みで買えた。これが最後の２つ」
「え、てかいくら？払うよ」
「いいよ、一緒に食べてくれればそれで」
大きい体で、上に乗ってる小さい苺をプラスチックの小さいフォークで刺してパクッと食べる。何だかギャップを感じて不思議な感覚。
「あーそうだ、年末年始のシフト見た？」
「え、うん」
「ずっと一緒だね、楽しくなりそう」
口周りについたクリームをぺろっと舐め取って、真っ直ぐに私見た。何だか今までとは違う目線を向けられた気がして、ホールで目があった時と同じように動揺してしまった。
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ぽぷら(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！かなりお返しが遅れてしまってすみません💦楽しんでいただけたようで嬉しいです(^^)こちらこそありがとうございました！ (7月14日 1時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - ラウ担です。ラウちゃんがほんとにラウちゃんらしくて、ずっとラウちゃんの声が脳内再生されていて幸せでした！素敵なお話をありがとうございます！ (5月6日 22時) (レス) id: 61924ce533 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年11月30日 23時
