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「あ…こんばんは」
「何それ。笑」
思わず挨拶をしてしまった私にフッと笑ったその人。周りのホストがハイトーンだったりくるくるしてる中、落ち着いたカラーでシンプルな髪型のその人はグラスのお酒をこちらに差し出す。
「乾杯」
遠慮がちに自分も差し出すとカチンと鳴るグラス。そして一口お酒を流し込んだ彼は私と目を合わせた。
「ショウ。そう呼んで」
「ショウさん…」
「あの人はよく見るけど、初めて？」
「はい、無理矢理連れてこられました」
「はは、正直」
また一口お酒を流し込む。店の照明でキラリと光ったピアスと綺麗な横顔が目に入った。
「あれ…お酒」
「あぁ、さっきまでいたテーブルで貰ったやつだから気にしないで。てか俺そんなに飲める方じゃないから頼まなくていいよ」
隣では同僚がもうかなりお気に入りくんに貢いでいるようだ。普段は別に友達として付き合えるんだけどなぁ、お酒と男でこうも変わるか。
「名前は？」
「……A」
「お酒強い方？」
「まぁまぁって感じです」
「顔赤いけど？」
私の頬をするりと撫でたショウさん。何だかクラリと視界が揺れた気がして、それと同時に心臓が一度ドキリと。
「……会社の飲み会の帰りなんです」
「あー、もうやめときな。無理矢理連れて来られたんなら尚更だよ。興味ないとこに金落としたくないっしょ？」
「ホストがそんな事言っていいんですか」
「ああいう風なのは柄に合わねぇから」
同僚の隣で饒舌に話すホストさんをチラッと見て言う。外見もそうだし、中身も何だかホストっぽくない人だ。
「まぁでも、話なら聞くけど？」
「え？」
「ため息つくくらいなら話してみれば。俺は変に煽てたりしねぇよ」
彼はあれから一口もグラスを口にしていない。テーブルに置かれた液体は照明で光っている。私の中身とは反対に。
「別に何もないんですよ。毎日同じことの繰り返しで、無気力続きで。占いとか信じるタイプでもないんですけど、運気も下がってるな〜みたいな」
「あー、でも分かるわ。俺も割とそんな感じ」
「ホストさんなのに？」
「ホストを何だと思ってんの。笑」
「……でもショウさんはホストっぽくない」
「ぽくないっつーか、こういうホストもいんのよ」
ショウさんはテーブルの上のお酒じゃなく、隣にあったお水を手に取りコップに注ぐ。そしてそれを喉に流し込んだ。
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ぽぷら(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます！かなりお返しが遅れてしまってすみません💦楽しんでいただけたようで嬉しいです(^^)こちらこそありがとうございました！ (7月14日 1時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - ラウ担です。ラウちゃんがほんとにラウちゃんらしくて、ずっとラウちゃんの声が脳内再生されていて幸せでした！素敵なお話をありがとうございます！ (5月6日 22時) (レス) id: 61924ce533 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年11月30日 23時
