なんて書こうか ページ41
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「さすがに遅かったかぁ……」
気付いたら小走りになっていた。はぁはぁと上がる息が白い。営業時間はもうとっくに終わってるけど、まだ事務仕事とかでいるかなって。でもカフェはもう電気が消えてて、当たり前だけど誰かがいる様子もなくて。
忙しかっただろうし、帰っちゃったかな。そう思って私も変える方向へと向きを変えた。
「わっ！」
「っ！！……え、亮平くん！？」
「来ると思ったー。しょんぼりしちゃって。笑」
「いるなら普通に声かけてよ…」
後ろから脅かしてきた彼はしてやったり顔。単純に驚かされて心臓がバクバクしてる私に満足げだ。
「同僚さんたちは帰ったの？」
「うん、見送ってきた」
「じゃあ俺の時間。行こ？」
そう言ってすっと手を繋いで歩き出す。彼の手は暖かい、本当にさっきまでお店の中にいたみたいだ。
「どこ行くの？」
「決まってるじゃん。だから来てくれたんじゃないの？」
「……うん」
「夜だからねー、あの写真とはまた違って見えるかも」
空は暗い。あの写真は明るかった。
今度は彼も私も知らない海を見れそうだ。
また、新しい海が増えていく。
「どこ案内してきたの？」
「んー、普通に観光客がいっぱいいるところ回ってきた」
「俺んとこもいっぱいいたよ？笑」
「それも考えたけどさー恥ずかしいじゃん」
「堂々と紹介してもらってよかったのに」
「忙しかったでしょ？」
「サービスしてあげたのに」
さすがにあの3人を連れてあそこにいくのは……女友達ならまだしもちょっと気まずいし。そもそも4人でカフェだなんて正直柄じゃない。4人集まれば大体居酒屋だ。
「俺がAちゃんの彼氏だって言いたかったなぁ」
「えっ…！？」
「同僚さん達って男でしょ？そりゃあやきもちくらい焼くよね」
「……そうだけどさぁ」
「ふふ、なーんて」
冗談なのかそうじゃないのか。彼は繋いでる手の力を強めて笑った。
「あ、そうだ。来週土日お店開けないからさ。街の方にデートしに行こうよ。ラウばっかずるい」
「高校生に嫉妬しないでよ」
「してないよ。ただ俺も行きたいなってだけ。付き合ってって誕生日の日に言ったでしょ？」
ずるい。相変わらず彼はずるいんだ。
どこまでが計算でどこまでが素なんだか。
ラウールくんの「あざとーい」って声が聞こえる。
そのずるさに私はきっと、落ちていくばかりなんだろう。
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ぽぷら(プロフ) - takkimakkiさん» コメントありがとうございます！お返しがかなり遅れてしまった事をお許しください💦大切に読んでくださったみたいで嬉しいです。Twitterの方も楽しんでいただけてるかな?お付き合いいただきありがとうございました！ (7月14日 1時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 颯楓さん» いえいえ！とっても嬉しいです、ありがとうございます。そしてかなり遅れてのお返しになってしまいすみません💦とても感情移入しながら読んでいただいたんだなと思います、お付き合い頂きありがとうございました(^^) (7月14日 1時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - ちーさん» コメントありがとうございます！一年以上の時差でのお返しにになってしまったことをお許しください💦お付き合い頂きありがとうございました！ (7月14日 1時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
takkimakki(プロフ) - 初めて、ぽぷらさんのお話に出会えたのがこの作品でした。世界観に引き込まれて、桃色さんとのやり取りに苦しくなったり、緑色さんとのやり取りにギュンとしたり。とにかくステキでした。他の作品も読ませていただきます。Twitterもフォロリクさせていただきました！ (2023年1月9日 4時) (レス) id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
颯楓(プロフ) - 同じ日に別の作品にそれぞれコメントしてしまってすみません、あの、こちらの作品の世界観もよすぎてこの感動を伝えずにはいられませんでした,,,！桃さんとの間にけじめをつけるシーンがもう読んでいて泣きそうになってました,,,ありがとうございます！！！ (2022年3月23日 4時) (レス) @page48 id: 263fa867c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年11月27日 18時
