ようこそ、ご相談ですか？4

わたしのこと ページ20

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「で…Aちゃんこの数日何してた？ずっと家にいた？」

「……はい、心配かけてすみません…」

「いや無事だったからよかったんだけど」


この件の全貌が分かったところで話題は私の事に。深澤さんの問いに自分自身の事をまた思い出してく。

佐久間さんが持ってきてくれたらしい携帯には既読にしたものも含め物凄い数の連絡が来ていた。かなり心配をかけていたようだ。


「多分…ずっと気失ってました」

「え！？ずっと？」


佐久間さんが目を丸くする。



「じゃあ毎朝インターホン鳴らしてたのも聞こえてなかった？」

「え、毎朝来てくれてたんですか…」

「うん、一応」


気付かなかった、というか岩本さんが来てくれた時は気を失ってたか朦朧としていたんだと思う。


「でも阿部ちゃんの電話一回出たよね？」

「ずっとというか何回か起きてはいたんです。でも起きたらまた気失っての繰り返しで……」

「繰り返し？体調悪いのは聞いてたけどそんな繰り返し意識失うだなんて…」


これはもう体調とかの問題じゃない、多分私が聞こえてしまうから起こったことで。何であんなに苦しかったのかは分からないのだけど


「あの人の声がずっと頭をループしてたんです。その時はあのストーカーの声だっていうのは分かってなかったですけど…一度聞こえたらその罵倒の声がずっと頭から離れなくて……頭が痛くなって息苦しくなって……それの繰り返しです」


めちゃくちゃに辛かった、苦しかった。あの時私は自分がこの声から解放されることしか考えられなくて、自分が危険なことをしているなんて分かってなかった。今思えば素直に外に出るなんて危険でしかない。


「…それってめちゃくちゃしんどいよな」

「痩せたよね…めちゃくちゃやつれてるもん……」


やっぱりひどい姿してるんだろうな。今だって体は重いし自分でも分かるくらいに覇気がない。


「でももう大丈夫だよね？あいつ捕まったから聞こえないよね？」

「……いや…聞こえないとは限らない気がする…」



佐久間さんの問いに素直に頷けない私。あの人が捕まったからってあの声が聞こえないとは限らないと思った。だってずっと聞こえてたんだもん。さすがにストーカーでも24時間ずっと私が心の声が聞こえる位置にはいなかったはず。

私が勝手に頭の中でループさせていたとしたら……今後も何かの拍子に聞こえてくるんじゃないかとそれが怖かった。

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