【銀魂】今日も傘屋は騒がしい【坂田銀時】

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’’俺に似合った傘’’ なんて気を悪くしそうな上から目線の言い方は実にこの人らしい。
でも私は知ってる、この人はただ不器用なだけ。


誰かを助けに行く時、誰かを守る時、いつも旦那は一人でいこうとする。
仲間を傷付けたくないからって仲間を突き放すような言い方して、結果誤解を招いて。
それでも旦那は、仲間に自分がどう言われようがお構いなしだ。


馬鹿というか、優しすぎるというか。


そんな人にこんなことを言っていいのかと戸惑ったのだが、一応。






『...あの、旦那。
かっこつけたところ申し訳ないんですけど、今めちゃくちゃ雨降ってます』





「...傘、貸してくんね」





『うわ最っ高にダサかったですよ今の発言！！！』





「うるせぇ、人間自然には勝てないんだよ！！！
噴火しかり津波しかり、止められるもんなら止めてみやがれ！！！」





まぁまぁと意地になる旦那をなだめ傘を差し出すと、案外素直に受け取ってくれるもんだから少し驚いた。
また断られると思っていたから。


すると何故か旦那が顔をしかめたので、どうかしたのかと聞いてみた。






「...こんな可愛いらしい傘、俺に使えってか？」





旦那の手にあるのは、シンプルな無地の傘＿＿＿＿＿


ではなく、薄い紫、白、緑で彩られた傘。
所謂パステルカラーと呼ばれる、いかにも女子が好みそうな色合いの傘だ。


まぁ確かに、あほ面の旦那には到底似合いそうもない色合いではある。





「...まぁ一応貸して貰った身だしな、文句は控えとくわ」





『存分に有り難み感じてくださいよ。
あと借りパク厳禁ですからね！ いつでもいいんでちゃんと返しに来てくださいよ！！』






私のお気に入りが借りパクなんてされたらたまったもんじゃない。
そんな思いもあって、何度も繰り返し言っておいた。


そして言えば言うほど旦那の顔はだるそうになっていって、ついにはこんな事まで言い出した。






「...返すの、面倒くせぇな」

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