【銀魂】今日も傘屋は騒がしい【坂田銀時】

44 来客 ページ45

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「え、＿＿＿＿＿」



……まさか全部聞かれてた?


そう考えて一瞬動揺するが、その扉を開けた主がAでは無いことに気付く。


扉を開けた主は、ここらでは見かけない顔の男だった。
俺と沖田君を足して2で割ったくらいの、まだ青年と言われる年頃に見える男が、俺と沖田君を交互に見る。


「……らっしゃい、客人さんよ」



念の為、「悪ぃが今店主は外出中だ」と一声かけておく。


男はそれを聞くと、少し残念そうな顔をした。
＿＿＿そんな様子を見てふと思い当たる。


(もしかしてここの常連か?)



仮にそうだとしたら、そう素っ気なく対応するわけにもいかない。
アイツの数少ない希望なわけだし。


ひょっとしたら、紀阪堂の救世主にもなりうる存在かもしれない。



「あー……さっき出てったから、そろそろ帰ってくるんじゃねぇかな」



男の様子を伺いながら言えば、案の定、男はほっしたような顔をして「そうですか」と息をついた。


すると先程から黙って男を見つめていた沖田君が、これまた直球に、



「……あんた、ここの店主の知り合いですかィ」



「まぁ……そうだね」



どうやらこの男は傘を買いに来たわけではなく、Aに直接用があるらしい。


……ということは、アイツとはそれなりに長い付き合いなのだろうか。
もしかしたら俺よりも長いかもしれない。


＿＿＿そう考えると、なんとなく、面白くなく感じる自分がいた。

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