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29 いくつになっても弟 ページ30

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口で言うのも面倒なので、
風呂場まで旦那を案内する事に。


風呂場に着くと何やら真剣な顔で名前を呼ばれ、何かと思えば「覗くなよ」と。
誰が覗くかよ、と思いっきり脛を蹴ってやったのだ。





『…はぁ、今指名手配中の奴らなんか放っといて旦那をとっ捕まえて欲しいもんだわ』





「すいやせん職務乱用はお断りしてるんで」





『いや逮捕のついでにバズーカぶっ放してる時点で十分職務乱用だからね?』





なんだか久々にツッコミ側に回ったような。
相手が旦那だと私がボケてばっかりだから、なんか新鮮だ。





『…あ、ねぇ、沖田君は兄弟とかいないの?』





そういえば、沖田君の家族関係は聞いた事が無かったのをふと思い出す。

あまりこうして二人で話すことは少なかったし、この機会に聞いてみるのも悪くないだろう。





「…だいぶ歳の離れた姉なら」





……妙に重みのある言い方だった。


よくある気軽な話題を装って聞いてみたのだが、
何か沖田君の中の触れてはいけないものに触れてしまったような気がした。


今の質問を撤回しようと口を開いたものの、もう遅く。





「……惜しくももう、この世界にはいねーですが」





哀しみ、寂しさ、虚しさ。
色んな感情が混ざりに混ざって、彼の赤い瞳にぼんやりと映し出される。


いつもよからぬ事を考えるその脳裏の隅には、払っても消えぬ姉との深い思い出達が、確かに焼き付いているようだった。





『…そうだったのね』





「…謝るなんて柄にもねぇ事しないでくだせぇよ。
あんたが気ぃ遣うなんざ気持ち悪くて仕方ねぇ」





『その言い方まるで普段から私が謝らなくて気が遣えない女みたいじゃん』





「あながち間違ってねーだろ」





生意気、失礼、毒舌。
そんな言葉がよくに似合う沖田君だけれど、そのお姉さんの事を自慢げに話す姿には、まだ弟の面影が残っていた。


…なんだかんだいって、可愛い奴だな。





「お淑やかな癖して辛い物大好きで、もはやタバスコが相棒になってたぐらいですぜ」





思い出の一つ一つを懐かしんで、その度に嬉しそうに目を細める。

あのポーカーフェイスの下にこんな一面があったとは、大変驚きである。

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スージー・ズー - すみません!間違えました!銀ちゃんサイコー!って書こうとしたんですけど…笑 (2017年8月10日 21時) (レス) id: 277f6daa72 (このIDを非表示/違反報告)
スージー・ズー - んサイコー! (2017年8月10日 21時) (レス) id: 277f6daa72 (このIDを非表示/違反報告)
きょう - めっちゃ面白いです!!!銀ちゃんかわいい(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年5月18日 21時) (レス) id: 667d20a7e0 (このIDを非表示/違反報告)
気空(プロフ) - 漆黒のラーメンさん» ありがとうございます!! 頑張りますね( ´-` )*゚ (2017年4月1日 12時) (レス) id: f4d2ff8c45 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒のラーメン - クッソおもしろいです!!!!! 頑張ってください!(*´∀`) (2017年3月31日 19時) (レス) id: dd18b39158 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:気空 | 作成日時:2017年3月20日 18時

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