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28 空気が読めるという素晴らしさ ページ29

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店主としての熱き魂を見せてくれたところで、その中に聞き慣れない単語があったことに気付く。





「…お前、兄貴なんて居たのか」





『…まぁ。
もう疎遠になっちゃってますけどね』





そう言って寂しげに外を見る。

この暗闇の中に兄貴がいないだろうか。
そんな期待を入り交えた目だった。





「…姉貴が妹だなんて、全然想像つきやせんね」





『もう大人だしね…意外と分かんないもんよ』





…未だ寂しそうに兄貴の背中を探している奴が果たして大人なのか。

まぁ少なくとも、そういう癖が妹らしいといえば確かだ。


しかし ’’兄貴’’ という単語だけでここまで感傷的な空気になるとは思っていなかったので、少し罪悪感に駆られる。

なんとなく居辛い雰囲気に、今はここから離れよう、そう思った。





「…このタイミングで言うのもなんだが、A、風呂借りんぞ」





『…あ、はい。 どうぞごゆっくり』





「あと沖田君、そこの色々溜まってる二十歳に襲われないように気を付けろよ」





『お風呂の湯、全部冷水にしとこっかなー』





「ごめんなさいそれは勘弁してください」





「旦那弱すぎますぜ」





マジ冷水風呂とか絶対入らねぇよ。
てか入れねぇし、低温火傷だわ。


心の中でつっこみをいれ、そういえば重大な事に気付く。





「…俺、着替え持ってきてないんだけど」





「…姉貴の借りれば」





『引っ込んでろ変態』





「安心しろ、俺はお前の借りるくらいなら沖田君の借りるから」





『いやそれもそれでキモいんですけど』





残業が終わったら普通に帰る気でいたから、着替えなど持ってきているはずがない。

というか、まさか外が暗すぎて泊まっていくハメになるなんて想像もしていなかっただろう。





『…あ! ちょっと待っててください』





するとAが何か思い出したように声をあげ、早足で部屋を出ていった。
数十秒後、何やら服類を腕に抱えて戻ってくる。






『これ、兄貴の服です。
旦那とそこまで身長変わらないんで、多分着れるんじゃないかと』





目の前に置かれた大量の服達を唖然として眺めていれば、「好きなの選んでください!」と彼女は言う。

そんな強い押しに負け、適当にシンプルな藍色の着物を選んだ。





「…ちなみに聞きたいんだけど」





『なんですか?』





「…金取んの?」





『取らねぇわ!!』

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スージー・ズー - すみません!間違えました!銀ちゃんサイコー!って書こうとしたんですけど…笑 (2017年8月10日 21時) (レス) id: 277f6daa72 (このIDを非表示/違反報告)
スージー・ズー - んサイコー! (2017年8月10日 21時) (レス) id: 277f6daa72 (このIDを非表示/違反報告)
きょう - めっちゃ面白いです!!!銀ちゃんかわいい(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年5月18日 21時) (レス) id: 667d20a7e0 (このIDを非表示/違反報告)
気空(プロフ) - 漆黒のラーメンさん» ありがとうございます!! 頑張りますね( ´-` )*゚ (2017年4月1日 12時) (レス) id: f4d2ff8c45 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒のラーメン - クッソおもしろいです!!!!! 頑張ってください!(*´∀`) (2017年3月31日 19時) (レス) id: dd18b39158 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:気空 | 作成日時:2017年3月20日 18時

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