【銀魂】今日も傘屋は騒がしい【坂田銀時】

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「A、A！
こんな感じでいいアルか？」





『どれどれ...お、上出来だよ！
結構難しいのに、器用なんだね神楽ちゃん』





「ふふふ、なんか照れるアルな」






まだ作業を始めて数十分だというのに、
既に神楽ちゃんはいくつか傘を完成させている。


だんだん手つきも慣れてきて、スピードも上々。
覚えが早くてとても助かる。






「それに比べてアイツらは...まだ一個も終わってないネ」





「うっせぇクソガキ、男はこういう細けぇ作業苦手なんだよ。
家の事は女に任せて男は働く、そうやって今日も世界は回っているわけだ」





「銀さん考え方が古いです、今の世の中求められる男は家庭的な、所謂育メンってやつですから」





「そういう半端な奴はいずれ社会から置いてかれんだよ、男は黙って金稼げってんだ」





『旦那に言われても説得力皆無ですけどね』





「俺だってやる時はやる男ですー」






一通りの会話を終えると、皆また自分の作業に専念する。
不器用ながらも一心に傘と向き合う姿は、紛れもなく、職人の背中だった。


懸命に作業を続け、一つ、また一つと傘が出来上がっていく。


お互い言葉は交わさないその集中の甲斐あってか、気付けば部屋には傘がぎっしり。







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『いやぁ、皆のおかげで助かりました！
本当にありがとう』






朝からずっと働き詰めだったというのに疲れ一つ見せず、三人口を揃えて「容易い御用だ」と。
私も見習おう。






「やっぱあれだな、こんだけ早く終わったのは9割方銀さんのおかげだよな」





「何言ってるアルか、銀ちゃんが一番足引っ張ってたヨ」





「遅い上にいくつか間違って、結局Aさんが直すハメになってましたしね」





『確かに、今日の旦那は邪魔以外の何者でもなかったです』





「誰か俺に人権をください！！！」






流石に私も、旦那がここまで不器用だとは思っていなかった。

まず生地を切るのが致命的に遅く、
鋏の使い方が危なっかしい。

各部を手で抑えるのを忘れ、
結果初めからやり直しになったり。

最初は新八君も苦労してたんだけど、何回かミスするうちにコツを掴んだらしく、後半は神楽ちゃん同様スラスラと作業をしてくれた。

旦那は相変わらず最後までミスだらけだったけれど、それでもめげずに続けてくれて。

旦那の言う「やる時はやる男」ってやつが、少しだけ分かった気がした。

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