【銀魂】今日も傘屋は騒がしい【坂田銀時】

10 薬には十分気を付けろ ページ11

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...果たして、俺の人生においてこれほど困ったことがあっただろうか。


今目の前で起きている光景はあまりにも受け入れ難いもので。
...というかこんなもん受け入れてたまるか。


本当に困ったことだ。
俺はただ普段通りに店を訪れただけなのに、何故こんな目に合わなければならないのだ。


こんな......






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『旦那、早く私の腕を縛って！！ そして思う存分私を痛めつけて！！
たーっくさんイジメてください！！
ほら、れっつ拘束プレイっ！！』





「こんな事ってあるかよォォォォォォォ！！！！」






大雨だった昨日と違って、せっかく今日は太陽も出ていい天気だってのに、全く散々すぎる昼下がりだ。

俺が店に入るなり凄い勢いで駆け寄ってきたかと思えば、一体何処で買ったのか手錠と首輪を押し付けてきて、その挙句「それで私を縛りつけてください！」なんてキラキラした目で見られ。


つい昨日まで普通に話してた女が翌日マゾ化してた、なんて事例聞いた事がない。
こんなカオス極まりない状況一体どうやって切り抜ければいいというのか。






『もう、そんな真面目な顔してどうしたんですか？
遠慮しないでください、さぁ早く！！！』





ひとまず、こんな事態に至った経緯を知らない事には解決もクソもない。
そう思った俺は特に包み隠すこともなく、ド直球に聞いた。






「...お前、なんか変なもんでも食ったか？」





『変なもん？ んー...昨日の夜は餃子とラーメン、今朝は牛丼食べましたけど』





「女子力０かよお前」






まるで男のようなガッツリ系メニューはさておき、とりあえず変なところは無いようだ。


だとすると、食べ物に何か入っていたとしか......いや、ちょっと待て。
あのレジの所に置いてあるカラフルな瓶...あんなの前は無かったはず。


何やら怪しい臭いを感じた俺は、相変わらず拘束グッズを押し付けてくるAを一旦店奥へと追いやり、一息ついた。


そしてそのカラフルな瓶を手に取り、睨むように見つめる。
たった親指程の大きさのその瓶には「黄金の調味料」と自信満々に書かれたラベルが貼られていた。


いかにも胡散臭い商品名に腹が立ち、ラベルを引っぺがしてみると。
なんとそこには、さっきと違うラベルが貼られていたのだ。






「なになに...’’マゾヒズム製造薬’’？」

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