好きかも、しれない ページ38
｢Aさん、放課後って忙しい？。
この間の試験のことでちょっと。｣
掃除時間に廊下ですれ違った斎藤先生に言われた。
前から女子生徒に囲まれた斎藤先生が来てるのに気づいたから軽く挨拶しようと思った時だった。
｢大丈夫ですけど……。｣
｢良かった、じゃあ職員室に来て貰える？｣
｢宏ちゃん先生私にはないの？｣
｢ありません、あと宏ちゃん先生って呼ばない！｣
絡んでくる女子生徒を注意しながら｢じゃあ。｣といって行ってしまう。
斎藤先生は数学の先生。
私は直近の数学のテストで平均点を大幅に割ってしまった。
もともとそんなに得意じゃなかったから頑張って勉強してたんだけど、直前で体調を崩してしまい万全の状態で試験に挑めなかったのだ。
｢のりちゃんごめん、今日一緒に帰れないや。｣
｢え、どしたの？でーと？｣
わざと大きく目を開いて驚いた振りをするのりちゃん。
彼氏いないの知ってるくせに、というとケラケラと笑う。
｢数学のテスト、平均点割っちゃったから斎藤先生に呼ばれた。
多分お説教……。｣
｢え、斎藤先生にお説教されるとかいいじゃん。ご褒美じゃん。｣
男女関係なく生徒から人気の斎藤先生。
数学だけじゃなく英語もできると有名だし、なんなら顔も良ければノリもいい。
ただ、お説教となれば別だ。
｢良くないよ……。
もしかしたら補習受けろとか言われるかも。｣
じゃあ、毎日斎藤先生と2人きりだね！なんてからかうのりちゃんを見送り、職員室に向かった。
｢失礼します。斎藤先生いますか？｣
｢あ、Aさん！こっちこっち！｣
斎藤先生が椅子から立ち上がってちょいちょい、っと手招きする。
｢何となく呼んだ理由が分かってると思ってるけど……。｣
｢すみません、何も言えません。｣
困ったように笑いながら斎藤先生は教科書を取って立ち上がる。
｢分かってるなら大丈夫。
ちょっとだけ復習しようか、次の試験も出す予定だから。｣
隣の先生に｢ちょっと出ます｣と伝え、斎藤先生は着いてきて、と言う。
｢……先生、そんなにまずかったですか？｣
空き教室の入口でわたしがおそるおそる聞く。
さすがに先生に呼び出され補習授業されるなんて事が事じゃない。
｢あ、ごめんごめん！びっくりするよね。
試験前の授業中、Aさん体調悪そうであまり集中出来てなさそうだったから。
試験の範囲もその授業の時だったし。
もう一回だけ説明しとこうと思って。｣
そう言って先生は笑う。
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裕(プロフ) - 夕凪さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉に励まされました。夕凪様の小説も読ませて頂きたいと思います。そして続編、少しずつですが書いていこうと思いますのでまたよろしくお願いします。 (2020年4月8日 18時) (
レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - はじめまして、こんにちは。小説通して、とても楽しませて頂きました。わたしも勝手ながら夢小説を書いているのですが、情景・心理描写など参考になる部分が多々ありました。ひとときの夢をありがとうございます。もし可能でしたら…続きを楽しみにしています。 (2020年4月8日 14時) (レス) id: e6f9b067c6 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます！私の中の斎藤さんイメージで書いているので自身は楽しく書かせていただいております。楽しんで頂けてとても嬉しいです。これからも頑張ります！ (2020年4月2日 20時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 第一話から拝見させて頂いてます。色っぽくてドキドキする展開にいつもときめいており、更新されてるとわくわくしながら読んでいる自分がいます。これからも応援させて頂きます、頑張ってください！ (2020年4月2日 19時) (レス) id: e30a93ed77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕 悠 | 作成日時：2020年3月27日 11時
