狗巻くんが大好きな女の子のお話 (ページ44)

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『あ、あの！…………ってうわぁ！？！』

扉を開けた瞬間、超至近距離に狗巻くんがいた。
……その横に、綺麗な背の高い女性もいた。
こ、この人が、狗巻くんのお見合い相手か。

狗巻「！？こ、こんぶ！いくら！」

『えっと、あの！これには！深い事情が！』

鶴窪「…もしかして、この方が狗巻様の慕たる相手、ですか？」

狗巻「しゃけ」

『へ、』

鶴窪「随分と可愛らしい方ですね。
狗巻様にお似合いですよ」

狗巻「…しゃけ、明太子」

鶴窪「ふふ、そうなのですね」

『え、と…』

え？この人、もう狗巻くんの語彙を理解してるの？……やっぱり、狗巻くんのお見合い相手になる人はこういう人なんだな

鶴窪「初めまして。私は、鶴窪百合香と申します。」

『は、初めまして…狼牙、A…です』

私と違って、ちゃんとした人だ。
綺麗で律儀で、本当に狗巻にピッタリな人。

鶴窪「本日は、狗巻様とお見合いの話をいただいたのですが…………ご安心してください。私たちは、結婚はしませんから」

『え、』

鶴窪「私には、慕ってる男性がいるんです。
そして、狗巻様にも……貴方という女性がいます。」

……どういうこと？よくわからない。

狗巻「……明太子」

鶴窪「ふふ。後は、私にお任せください。
ご両親には、私から伝えておきます」

狗巻「……ツナ、いくら」

鶴窪「礼には及びません。
実は彼も、来てくれる予定なので。」

そう微笑んだ鶴窪さんは、とても綺麗に見えた。

鶴窪「ほら、早く。お母様とお父様が来ないうちに」

狗巻「……しゃけ」

『え、ちょ』

狗巻くんが、私の手を握る。

そして、今来た道を走った。

そして、たどり着いた先には、五条先生と顔を青くした伊地知さんが待っていた。