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運命とは ページ32

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ノンリアル


Side F




土曜日、午後2時。




“ごめん、寝坊した”
彼女からのメッセージが来たのは待ち合わせ時間をすぎてからだった。





家からも遠いし、恐らく2時間ほどかかるだろう。
とりあえず時間を潰さないと、と入ったカフェ。
コーヒーを注文し、読みかけの小説を開いた。






K「ねぇ、おにーさん1人?」





30分ほど経った頃、頭上から聞こえてきた声に顔をあげると、見知らぬ男の子が俺を見ていた。




F「え、おれ」

K「うん、おにーさん1人?俺も1人なの」




そうにっこり笑って俺の正面の席に腰掛ける。
可愛い、と思った。俺より少し年下だろうか、小柄な体と中性的な顔立ち、笑った口元は綺麗な弧を描いていた。
無性に惹きつけられる、そんな空気。




F「えっと、人待ち、してるんですけど…」



K「そっかぁ、俺も人待ちしてるの、ちょうどいいね?」





何がちょうどいいんだ。
そもそも突然声をかけられてこっちは未だに混乱している。とりあえず続きは読めないだろう小説を閉じて、正面の彼を見た。




F「そう、なんですね」


K「うん、ずっと待ってたんだぁ」


F「ずっと…?」


K「ずぅーっと」





一瞬、目を伏せた彼は、またにっこり笑って俺の手を取って話す。




K「お兄さんが待ってたのって俺でしょ?」


F「…は?」


K「そうでしょ?だって俺たち運命だもん」


F「ちょっ、どういう、、」


K「俺もね、ずっとお兄さんのこと待ってたの、ね?」





ほんとになんなんだこいつとは思うものの、目が離せず彼を見つめていた。




K「彼女、待ってたんでしょ?お兄さん。」


F「なんで、わかるの?」


K「んー、なんとなく?けどね、もう彼女には会えないよ」


F「は?」


K「だから、お兄さんと俺は運命だって言ったじゃん」






意味不明。
なのに席を立って俺を引っ張る彼に逆らえずついていく。

だって、俺も感じてしまった。
これが運命なのかも、って。彼女よりも、たった今会った彼に惹かれることに気付いてしまったから。




運命なら、仕方ない。
なんて誰に対してかわからない言い訳を考えると、初めての胸の高鳴りを抑えながら、彼の手を握り返した。



――――――――――――――――――――――――


ビッチっぽいあざとかわいいKさんが書きたかっただけのお話。
ただのナンパでも、本当に運命でも必然の出会い。


こういうKさんのペースに呑まれるFさんも好きです。


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なこ(プロフ) - あこさん» コメントありがとうございます!なんて嬉しいお言葉、、私の中の根本はKさんかわいく、Fさんがかっこいいなので、そう思ってくださってすごく嬉しいです! (2021年7月28日 17時) (レス) id: 9cb1f5d1b0 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - どのお話のFKもKさんがかわいくてFさんがかっこよくて読んでる間ずっとしあわせでした。。これからもなこさんのFKをもっと読ませていただきたいです!次の更新も楽しみにしております!!!! (2021年7月28日 11時) (レス) id: 62cdbec8f3 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - aaaさん» コメントありがとうございます!そうなんです…私の中でのFさんはすごく計画的サプライズの達人なんですよね…!それに対する鈍感Kさんがまたかわいい、って思っちゃいますよね。 (2021年1月9日 10時) (レス) id: 9cb1f5d1b0 (このIDを非表示/違反報告)
aaa(プロフ) - うわぁ…引っ越す区まで考えてのサプライズとプロポーズ、素敵ですね。区?って一緒にKくんとぽかん?ってなった後じわじわ喜びが込み上げてきました。甘いFKさん大好物です。更新楽しみです! (2021年1月9日 5時) (レス) id: 28fb511570 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なこ | 作成日時:2020年10月18日 16時

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