壁に書かれた文字07 ページ10
ハーマイオニーがさらに手を挙げた。
「《秘密の中の恐怖》というのは、具体的にどういうことですか？」
「何らかの怪物だと信じられており、スリザリンの継承者のみが操ることが出来るという」
ピンズは少しイライラした口調でそう言うと、早口でそんなものは存在しないと言い切った。
生徒たちが仮説を挙げる度ピンズの機嫌を損ね、遂にはキレた。
「以上、おしまい！これは神話であり、こんな馬鹿馬鹿しい作り話をお聞かせしたことを悔やんでおる。実態のある信ずるに足る、《歴史》に戻ることにする！」
授業が終わり、話題は《秘密の部屋》で持ち切りだった。
それはセレナたち四人も同じ事だったが、セレナだけは今度の敵が誰なのか大体の予想がついていた。
そして、ピンズが《神話》だと言い切ったあの話も、神話ではなく《歴史に基づく事実》だと言うこともわかっていた。
ハーマイオニーが言う。猫を襲ったのは人じゃないかもしれない、と。
セレナもその言葉に同意しようとした時、例の事件があった廊下に差し掛かった。
四人の好奇心はフィルチの居ない事件現場に向いた。
「ちょっと調べたって悪くないだろ」
ロンの言葉に四人は辺りを捜索すると、ハリーは焼け焦げた痕跡を見つけ、ハーマイオニーは窓ガラスを指差し不思議な光景を見つけた。
蜘蛛の行列である。
数十匹の蜘蛛がガラスの隙間を這って外に出ようと争っている。蜘蛛の糸が床から壁へと連なり、銀色の糸が綱のように垂れ下がっていた。
「蜘蛛があんなふうに行動するのを見た事がある？」
「いいえ」
「僕もない...ロン、君は？」
振り返るとロンは居らず、随分と先の方に立っていた。
「どうしたんだい？」
「僕……蜘蛛が……好きじゃない」
苦々しく言ったロンの言葉に、ハーマイオニーが驚いたように言葉を返した。
「知らなかったわ。だって魔法薬学で何度も蜘蛛を使ったじゃない」
「死んだヤツらなら構わないんだ」
アイツらの動き方が嫌なんだ。ロンは理由を語った。
三歳の時、誤ってフレッドの箒を折ってしまい、腹いせにお気に入りのテディベアをバカでかい蜘蛛に変えられたのだという。
それもテディベアを抱きしめていた時に...。
ロンが身震いしているのを横目に、ハリーは話題を事件のことに戻した。
「確かあの時、床に水溜まりがあったんだけど...どこから来た水だったんだろう？」
「そうね。確か...この辺りだったわ」
セレナが指差した場所は、とある扉だった。
《故障中》と大きく掲示されている扉に、ロンがそこは入れないと首を横に振った。
……そこは《女子トイレ》だった。
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レン(プロフ) - 葵さん» 葵さんコメントありがとうございます！コメント頂けるだけで励みになります✨️GW明けたので更新頑張っていきます！ (5月8日 7時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とっても面白いです！更新頑張ってください！（文章短くてすいません） (5月6日 20時) (レス) @page34 id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - みーさん» みーさん、コメントありがとうございます！これからも執筆頑張ります！！ (5月1日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
みー - むちゃくちゃサイコーです！ (4月29日 20時) (レス) @page32 id: 3d403f2132 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！出来るだけ違和感が出ないようにと心掛けてるので嬉しいです☺️これからもよろしくお願いします！ (2023年4月24日 6時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年3月18日 7時
