壁に書かれた文字05 ページ8
事前に知らされていた合言葉を伝えると、ダンブルドアが迎え入れてくれた。
中には既にセブルスの姿もいた。
「よう来た。さぁ、そこへお掛けなさい」
「ありがとうございます、校長」
セレナが椅子に座ると、ダンブルドアは杖をひと振りしてお菓子をセレナの膝の上に乗せた。
お食べと声をかけられ袋を開けると、中はチョコチップクッキーだった。セレナはおずおずと一口食べると、チョコの香りが鼻腔をくすぐった。
「そう緊張するでない。そもそも君は誰よりも前へ行く力を持つ者だったはず...。なのに今は前に出るのを怖がっているようじゃ」
「……何でもお見通しなんですね、校長」
セレナは諦めたように笑うと、姿勢を正して一呼吸した。
「ダンブルドア校長。私の母親か父親に、サラザールスリザリンの血筋はいますか？」
「……何故そのようなことを？」
セレナはセブルスを一瞥し、ダンブルドアの薄いブルーの瞳を見た。
「私、その...《パーセルタング》なんです。蛇の声が小さい頃から聞こえてて...。母からの手紙にも《人の声以外は聞かないこと》と……」
「なんと……」
セレナの告白にダンブルドアは驚き、セブルスを一瞥した。
その表情は知っていたかのように、淡々とセレナを見つめていた。
「ふむ...。一つ言えるとすれば、ローズの曽祖父にその血筋の者がいる」
セレナはスカートをぎゅっと握り締めた。
このことがバレれば、学校中に恐怖を招いてしまう。
やはり相談をして良かったと思いながら、セレナは一つ提案を持ちかけた。
「校長先生、一つご相談が...」
「申してみよ」
「私とハリーをこの事件が終わるまで隔離してください...彼も《パーセルタング》です」
今度はセブルスも目を見開いた。
予期せぬ提案と内容に、大人二人は言葉を失った。
ダンブルドアは長い髭を撫でながら長考すると、漸く口を開いた。
「セレナ、君の願いを聞くことは...ちと出来ん。君たちはただ、蛇と会話出来るだけに過ぎんよ。それに君たちのその能力が、この件に大いに役立つ時が来るやもしれん」
それまでは隠さねばならんのぉ、と細めたブルーの瞳がセレナを映した。
言葉は柔らかいのに、どこか強制力のある...そうしなさいと言われてるかのようにセレナは感じた。
「...わかりました。ハリーにもそのようにお伝えします」
「よろしい。...それで、ほかには何かあるかね？」
セレナは母からの手紙に記されたことを全部話そうとした。けれども《赤毛の少女》の事は言いたくなかった。
セレナは笑みを浮かべた。
「……いいえ、何も」
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レン(プロフ) - 葵さん» 葵さんコメントありがとうございます！コメント頂けるだけで励みになります✨️GW明けたので更新頑張っていきます！ (5月8日 7時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とっても面白いです！更新頑張ってください！（文章短くてすいません） (5月6日 20時) (レス) @page34 id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - みーさん» みーさん、コメントありがとうございます！これからも執筆頑張ります！！ (5月1日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
みー - むちゃくちゃサイコーです！ (4月29日 20時) (レス) @page32 id: 3d403f2132 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！出来るだけ違和感が出ないようにと心掛けてるので嬉しいです☺️これからもよろしくお願いします！ (2023年4月24日 6時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年3月18日 7時
