コーネリウス・ファッジ07 ページ46
コンコン...。
深い霧に包まれた闇夜の中、ひっそりと佇む一つの小屋に扉を叩く音がした。
「誰だ！」
その小屋の住人、もとい、森の番人ハグリッドが扉を開けると共に来訪者に石弓を突きつけた。
しかし、そこに居るはずの来訪者はハグリッドの目に何一つ写っていなかった。
異様な空気に包まれ、ハグリッドは身震いを起こして扉をそっと閉じた。
石弓を扉の近くの机に置き、ファングという犬と共にソファにドサリと座り込んだ時、ギシ...ギシ...と明らかに床の木を踏む音が聞こえた。それも先程の扉の近くだ。
「だ、誰だ！」
石弓を取りに行こうにも、音がその石弓の置いているところから聞こえてくるため、ハグリッドはただただ恐怖を味わうばかりだ。
足音は何かを探すように辺りを彷徨いながら段々と近付いてくる。
ハグリッドは恐怖でどうにかなりそうだった。隣に座るファングは既に夢の中で少し恨めしく思った。
近付く足音に、あぁもうダメだと両手で顔を覆ったその時、幼い子供の声が聞こえた。
「三...二...一……ジャ、ジャーン！」
「おぉう！セレナ！脅かさんでくれ！」
「ごめんなさい、ハグリッド。薬の調合を少し変えたから耐久性を見るのも兼ねて来ちゃった」
悪びれる姿を見せることも無く羊皮紙にメモをするセレナに、ハグリッドは深いため息をついてホットミルクをコップに注いだ。
「それで何しにきたんだ。こんな時間に出歩いちゃいかんだろ」
「ハグリッドに聞きたいことがあってきたのよ。私、ハーマイオニーに手を出した奴を突き止めたくって」
ニッコリと普段でもなかなか見ないような満面の笑みに、ハグリッドは先程感じた恐怖よりもさらなる恐怖を感じていた。
「ハグリッド、貴方、トム・リドルって知ってる？」
「あ、あぁ...」
歯切れの悪いハグリッドの反応にセレナはハグリッドを一瞥すると、再び口を開いた。
「彼の日記によると、貴方は学生の時《何か》を飼っていたのをトム・リドルに見つかった。そのせいで退学になった……違う？」
「……違わねぇ。だが、俺はやっちゃいねえ！」
心外だと言わんばかりに叫ぶハグリッドの目は、悲しみに暮れていた。
しかしセレナは淡々としていた。
「そう。だったら聞かせてもらうわ。その時飼ってたのは《蛇》だった？」
「いんや。《アラゴグ》は《蛇》じゃねえ。アイツはーーー」
その時、扉の叩く音が聞こえた。
セレナはソファの陰に隠れ、ハグリッドはセレナの時と同様、石弓を持って扉を勢いよく開けたーーー。
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レン(プロフ) - 葵さん» 葵さんコメントありがとうございます！コメント頂けるだけで励みになります✨️GW明けたので更新頑張っていきます！ (5月8日 7時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とっても面白いです！更新頑張ってください！（文章短くてすいません） (5月6日 20時) (レス) @page34 id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - みーさん» みーさん、コメントありがとうございます！これからも執筆頑張ります！！ (5月1日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
みー - むちゃくちゃサイコーです！ (4月29日 20時) (レス) @page32 id: 3d403f2132 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！出来るだけ違和感が出ないようにと心掛けてるので嬉しいです☺️これからもよろしくお願いします！ (2023年4月24日 6時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年3月18日 7時
