壁に書かれた文字10 ページ13
セレナの態度にハリーはムッとした表情を浮かべた。
「ねぇ、セレナは何でマルフォイの肩を持つのさ」
「貴方たちと同じ《友達》だからよ。ハリーこそ、彼の何がそんなに気に入らないの？」
セレナの手が完全に止まった。
少し方向がズレた話だが、ロンとハーマイオニーは二人を静かに見守ることにした。
何故なら、互いに譲らない二人を見るのが初めてだったからだ。
「《友達》？君の親友に《穢れた血》だなんて言う奴が！？」
「その事に関しては、ドラコから謝罪の言葉を受け取ってるし、彼自身も反省してるわ！」
「どうだか！君には忠実かもしれないけど、他のヤツらを下に見てるだろうさ！」
お互いヒートアップし声を荒らげたため、談話室にいた人たちは物珍しい様子で傍観していた。
パーシーですら、そんな二人に驚いて止めることを忘れていた。
「ドラコはそんな人じゃないわ！！」
「君にだけはね！アイツを庇うなんてどうかしてるよ！」
そろそろ止めないとヤバいと思ったのか、ロンとハーマイオニーが止めに入ろうとした時、ハリーが吐き捨てるように叫んだ。
「君は、マルフォイの事が好きだからそうやって庇うんだ！」
吐き捨てられた言葉は、セレナの胸を抉った。
ハリーは勘違いをしている。
ただそれだけの事なのに、何故か酷く焦燥を感じて泣きそうになった。
セレナはキッと目を吊り上げハリーを睨みつける。
「ええ、好きよ。ただし友達としてね！貴方は彼の何が気に入らないのか分からないけど、話せば理解ってくれる人よ。今の貴方と違ってね！」
広げていた宿題を乱雑に掴み取ると、女子寮の階段を駆け足で登って行った。
激しい音を立てて部屋に戻りベッドの上にトランクと共に布団を被ると、セレナは逃げるようにトランクの中へと入っていった。
トランクの部屋のベッドにセレナは勢いよく飛び込み、枕をぎゅっと握り締めた。
今思えば、お互い犯人扱いされ、人と違う能力があることで不安になり、気持ちがいっぱいいっぱいだったのかもしれない。
だから珍しく、ハリーのいつも柔和な性格もなりを潜めてあんな事を言ったのかもしれない。
セレナは必死に冷静になるようにと努めたが、心の中はグチャグチャに気持ちが散らかっていた。
ビューローの上にあるハリーから貰ったスノードームの中の二人も普段の仲睦まじい姿から一変して、まるで今の自分たちと同じように離れたところで二人縮こまるように座っていた。
セレナは逃げるように夢の中へと潜った。
だから下でハリーたちがセレナに内緒で、セブルスから薬を盗んでスリザリン寮へ侵入しようとしてるなんて、知る由もなかった。
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レン(プロフ) - 葵さん» 葵さんコメントありがとうございます！コメント頂けるだけで励みになります✨️GW明けたので更新頑張っていきます！ (5月8日 7時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とっても面白いです！更新頑張ってください！（文章短くてすいません） (5月6日 20時) (レス) @page34 id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - みーさん» みーさん、コメントありがとうございます！これからも執筆頑張ります！！ (5月1日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
みー - むちゃくちゃサイコーです！ (4月29日 20時) (レス) @page32 id: 3d403f2132 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！出来るだけ違和感が出ないようにと心掛けてるので嬉しいです☺️これからもよろしくお願いします！ (2023年4月24日 6時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年3月18日 7時
