検索窓
今日:4 hit、昨日:78 hit、合計:266,307 hit

物語の始まり07 ページ7

食卓のテーブルに向かい合わせで座ると、セブルスは落ち着いた口調で話し始めた。

「セレナ、君はこの9月からホグワーツの一生徒となる。さすれば我輩との関係は先生と生徒だ。…共に過ごすことは困難であろう」

セレナは首を縦に振った。

「…分かっております、父上」
「…だが、我輩も帰る場所が必要だ。この一年の切り替わる休暇のみ、短くとも帰ってくることとしよう。ただし、毎年変わる教科書等は一緒に買いに行けぬことを忘れるでないぞ」

ポロリと涙が頬を伝った。
暖かな感情がじわじわと侵食するのを感じながら、セレナは降り出し始めた雨のような涙を拭うこともせず、ただセブルスの言葉を噛み締めた。

「セレナ、来なさい」

父上っ!セブルスの呼び掛けに椅子を倒すほど勢いよく飛び出し、セブルスに抱きついた。
ありがとうございます、父上。何度も何度も繰り返し、感謝を伝える。

セブルスにとって自分の存在など足枷でしかならないと、ここ何処かで思っていた。
しかし彼は律儀にも、母からの手紙一つでこの十一年間男手ひとつで育ててくれたのだ。我儘なんて言えるわけない。

なのにどうして、自分のことをこんなにもわかってくれているのだろう。
離れたくないという究極の我儘を汲んでくれたのだろう。
優しく頭を撫でてくれるその手に甘えながら、セレナは抱きしめる力を強くした。


「セレナ、我輩は時として一度も、君を娘として育てなかった訳では無い。友人の子だと頭で分かっていながらも、実の子のように厳しく育てたつもりだ。それが良かったかどうかは吾輩には分からぬ。

…ただ、何時いかなる時も君を守り、幸せを願っている」


セブルスの言葉に一つ一つ思い出が蘇る。
幼い頃から勉強を教えて貰ったこと、構って欲しくて作りかけの魔法薬に適当な材料を入れて怒られたこと、誕生日プレゼントを渡すと喜んでくれたこと、マグルの世界の動物園ではぐれてしまい心配させたこと、一緒に魔法薬を作ったこと…。


「私にとって父上は最高の父上です!不満なんてものはありません。でも、少しわがままを聞いてくださるなら、父上と少しでも一年に一回は過ごしたいと、そう思ってました」

「そうか…」

「父上は私の事、ちゃんと見てくれてたんですね。嬉しいです、とても凄く…」


見上げると、セブルスはそんなことは当たり前と言わんばかりに優しく微笑んでいた。
そんなセブルスにセレナはもう一つお願いをした。

「…今日は父上の作るハンバーグが食べたい」

「…仕方ないな」

ダイアゴン横丁01→←物語の始まり06



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (130 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
451人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

レン(プロフ) - 潤華さん» 潤華さん、初コメありがとうございます!お褒めの言葉嬉しいです☺️引き続き、応援よろしくお願いします! (2月5日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
潤華 - とっても面白いです!!!♡♥ (2月4日 20時) (レス) id: 9eceefbc71 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - カケオレさん» コメントありがとうございます!この時代にもニュートが居たので是非からませたいと欲望が出てしまいました笑今後も出てきますので楽しみにしててください! (2023年3月20日 21時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - ニュートが出てきた瞬間叫んでしまいましたよ (2023年3月20日 7時) (レス) @page11 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - †NANA†さん» ご指摘ありがとうございます!遅ればせながら修正致しました(^^) (2023年2月10日 20時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:レン | 作成日時:2022年7月3日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。