それぞれのペースで ページ10
dt目線
absk要素あり
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チャイムが鳴り授業終了の合図。
先程まであんなに眠かったというのに帰れると思うと一気に目が覚める。
カバンを持ち、翔太の机へと向かう。
dt「翔太、帰ろう」
nb「あ〜、涼太悪いけど先帰っててくれる？佐久間に呼び出されててちょっと寄り道してから帰るから」
dt「えっ！？」
いつも一緒に帰っている俺達だが、お互い用事ができた時は一緒に下校できなかったりいつものメンツに誘われて寄り道する時もあるのだが。
そういう時は事前に話が出るので、急な話に驚いてしまう。
思わず佐久間の方を見ると、いつものようにニコニコと笑っていた。
nb「ごめんな、気をつけて帰れよ〜」
sk「にゃはは〜涼太ごめんね〜翔太のことちょっと借りるね」
そう言うと2人で教室を出ていく。
翔太の背中を見送ると少し寂しさも感じるが、駄々をこねる程子供ではないので諦めて割り切るしかない。
ふーっと一息ついて俺も帰ろうと思い前を向くと目の前から凄い勢いで阿部が近寄ってくる。
ab「舘さん！ごめんね！」
dt「阿部！？どうしたの？」
ab「俺が余計なことを佐久間に言ったから、佐久間が変な方向にやる気出しちゃったみたいなんだよ」
dt「どういうこと？」
阿部が眉をひそめながらもゆっくりと語る。
ab「俺と佐久間が最近付き合い始めたのは皆知ってるとは思うんだけど、俺たちって元々距離感近い方だったからさ。付き合ってからも特に変わりなく過ごしてたんだけど。昼休みの時に『どのタイミングで次のステージ進むんだろう？』って話になって…」
dt「真正面からそういう話できるの凄いね、感心しちゃう」
ab「舘さんからかわないで！それでね、俺としては佐久間のことが大切だからもう少し時間をかけて次の段階行けたらいいなって思ってたんだけど、佐久間は違ったみたいでさ…」
dt「佐久間的には阿部に積極的に手を出して欲しいってことかな？」
ab「いや、言い方！？でも正直正解。佐久間はお互い愛し合ってるんだから先に進みたいって言うんだけど、その言葉に甘えちゃっていいのか分からなくて。それに、もし先に進んだことによって佐久間にやっぱり男同士は嫌だって思われたら立ち直れない…」
そこまで言うと悲しそうな顔をして俯く阿部。
2人ともお互いが大切が故に衝突してしまってるようだ。
話の流れ的に、今頃翔太は佐久間に色々質問責めされてる頃だろう。
疲れて帰ってくるだろうから今日は翔太の好きな物作って家に持っていってあげようかな。
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作者名：そめふぶ | 作成日時：2025年1月9日 2時
