見えない翼 Ⅱ (ページ18)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:133,706 hit

１７ページ18

.

『佐々木さん少しお話しいいですか？』

休憩中、佐々木さんに声をかけた。

"もちろん"といつもの笑顔で返事をしてくれた佐々木さんと共にランチがてら近くのカフェへ。

佐々木「で、どうした？」

『あの、お願いがあります』

佐々木「うん」

『、、紫耀、、平野紫耀さんの担当をしばらく外させて下さい』

佐々木「え、？！」

パスタをクルクルとフォークに巻き取っていた佐々木さんの手が止まる。

佐々木「何かあった、昨日平野くんと」

『、、、』

少し躊躇した、けど。
佐々木さんなら大丈夫な気がして、昨日までのことを話した。

佐々木「そっか、昨日大丈夫か心配はしてたんだけど」

『今のままだと仕事とプライベート、きっちり自分の中で分けられそうになくって、』

たぶん、紫耀に仕事で会ってまともにできる自信がない。

ダメだな、わたし。

こんなことで佐々木さんに迷惑をかけるのもわかってはいるんだけれど。

佐々木「、、ちゃんと話さなくていいの？」

ふわり、と優しく笑っていて。
思わず安心してわたしもぽろぽろと本音が出てくる。

『、、自信がないんです』

佐々木「自信、？」

『やっぱり紫耀とは住んでる世界が違うって。今、わたしが側にいる事で迷惑かけるのは、、わかってるので、』

昨日ライブに行って身に染みた。

キラキラ輝く紫耀となんてことないわたし。

せっかく掴んだ夢を、潰してしまいそうで。

佐々木「、、そうかな、、」

『、、え？』

佐々木「確かに今平野くんにとって大事な時期ではあると思うけど、」

『、、、』

佐々木「確実に、前の平野くんより今の平野くんの方が私には輝いて見えるな、」

『、、、？』

佐々木「なんでか、わかる？」

『え、なんでですか？」

佐々木「ふふ、それは自分で考えなさい」

考えても答えはわからなくて。

難しい顔をするわたしに佐々木さんは優しい笑顔を向けていて。

"ひとまずわたしが平野くん担当するね"

そう優しくわたしの思いに応えてくれた佐々木さんに今は感謝するしかなかった。

.