見えない翼 Ⅱ (ページ11)

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『え、密着ですか？』

佐々木「そうよ、ライブに潜入！」

佐々木さんから急に聞かされた今日の仕事内容はKing & Princeのライブ最終日に密着取材するというもの。

『そう、ですか、』

佐々木「なに？何かご不満？」

『いえ！とんでもないです！』

気が乗らないわけじゃない。

夢を叶えた紫耀のライブは見てみたかったわけだし、、、

ただ、あの日以来かれこれ１ヶ月は忙しいのもあって紫耀と会っていなくて。

あの日の帰り道の紫耀とのやりとりを思い返す。

佐々木「なになにー？平野くんとなんかあったの？」

『わ、っえ、な、なんでですか？』

佐々木「んー、なんとなく？」

そうニヤリと笑う佐々木さん。

佐々木「ま、前よりはスッキリした顔してるからよかった」

佐々木さんには優也とのことは話してはいないけど。

察しのいい佐々木さんは、わたしのちょっとした変化にもお見通しのよう。

さすが、と思うと同時に気にかけてくださっていたことに嬉しさを感じる。

佐々木「さ、行きましょうか」

『はい、！』

そう、これは仕事だ。
きっちりプライベートと分けてしなくちゃね。

自分に言い聞かせるようにしながら、佐々木さんとライブ会場まで向かった。

ーーー・・・

『わ、すごい、』

佐々木「人、人、人ね！」

会場に到着。
King & Princeのみんなに会うためにたくさんお洒落して出てくるのを待ちわびているファンの子達はキラキラしてて。

あー、可愛い子、綺麗な子いっぱい。

と思えば中にはすごく小さい子やご年配の方まで。
たくさんの人たちに愛されているんだな、としみじみ思った。

用意されていた関係者席に座ってみんなが登場するのを待つ。

佐々木「はい、カメラの方頼むわね」

『はい！』

佐々木「みんながどんな表情見せてくれるのか楽しみね」

『そうですね』

そんな話をしている時だった。

ドームが暗転しキャー！という、期待に満ちた悲鳴が響き渡る。

そして煌びやかな衣装を纏った6人が登場するとそれは最高潮になった。

『、、わ、あ、』

キラキラと輝くみんな。

その中に紫耀も確かにいて。

数年前のあの時、夢を追って頑張っていた紫耀の事が蘇ってきて。

不器用なのに、いつもがむしゃらで。
一生懸命で。

夢を叶えた紫耀はすごくカッコよくて。

目を奪われた。

デビュー曲のシンデレラガールを歌う紫耀はすごく幸せそうでわたしも幸せな気持ちになった。

『、、、おめでとう』

佐々木「ふふ、」

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