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43話 ページ44

「ジェイド」

「はい?」

「少しこちらへ」

ちょいちょいと手招きするフロイドに、
ジェイドは不服そうな顔をして歩いていった。

……別に大丈夫だから帰っていいかな。


______________________________________

「あなた、怪我を利用しましたね?」

「……なんのことでしょう?」

「手を出すのは僕達の合意の上に、
それが決まりだったはずです。」

「おや、手を出すだなんて。
僕はただ、
怪我の度合いを確認しようとしただけですよ?」

「…………抜けがけは許しませんよ」

「抜けがけだなんて。
そう思っているのはあなただけですよ。
……現に
フロイドは彼女を追いかけ回していますよ?」

「あれは気づいていない、
分かっているんでしょう?
合意をとるのは3人と言いつつも、
実際は僕達お互いの話。
フロイドはあれの気分次第です」

「ふふふ、
本当にそうでしょうかねぇ。」

「あれが彼女を名前で呼ばないうちは
あれは問題ではありません。何より」

____________________________________

「カジキちゃぁん!!!」

「ぶへぇ!!!」

なにやら長引きそうなので出ようと思ったら、
フロイドが思い切り飛び込んできた。

メシ、と骨が鳴る。

「重い重い重い重い重い重い!!!
潰れる!死ぬ!!!」

190センチの長身巨体で、
のしかかってこないでもらいたい。
海の中なら話は別だが。

「フロイド」

「ジェイド?
アズールもいる」

きょと、とそっちを見て呟くフロイドに、
こいつは本当に興味が出たら
それしか見ないなと私は軽くため息をついた。

「またあなたが関わってるんですか……」

「オレ今回は何もしてねーけど?!」

「半分貴方が原因でしょう、フロイド」

「オレぇ??」

と本当に知らない顔で言うフロイドに、
いつも通りいつも通りと私は笑った。

「今回のは私のミスです。
それにしてもリドルさん小さいですね
……フロイドパイセンの知り合いってことは
皆さんの同級生ですか」

「そう!
小さくて赤いから金魚ちゃん」

「今それは聞いてないけど。」

フロイドの向こう、
背中越しに2人を見ると
そうですよと言わんばかりに笑っていた。

へぇ、リドルさん先輩か。
私より小さいのに……可愛いのに。

……そういえばトレイ先輩やケイト先輩、
エースくんやデュースくんと同じ寮だったな。

「リドルさんは
ハーツラビュル寮の寮長ですよ」

「えっ、そうなの?!」

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作者名:よく骨を折る田中 | 作成日時:2020年6月30日 22時

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