12話 ページ13
「えっ、髪切ったの?!」
「えっ、うん!?」
朝イチ。
痛む足を引き摺って教室へ登校。
涼しくなりすぎた首元に手を当てていると、
目の下にハートマークのある男の子がずい、
と顔を覗き込んできた。
「あっ、悪い!
オレエース!エース・トラッポラ」
前からお前の長い髪気になってたんだよなぁ〜
と笑う。
「エース!
お前初対面の人に何を気安く……」
今度はスペードマーク……
エースと名乗った少年はそれには答えず、
「こいつはデュース!
デュース・スペード」
それからあれがユウな!隣の毛玉はグリム。
とテキパキ紹介してくれた。
なるほど。
「わた、お、……コホン。
俺はA・セイル。
おたくら、
入学式そうそう暴れ回ってるって噂の人達でしょ?
シャンデリア壊した〜って、噂になってるよ」
昨夜渋る3人を無理やり追い出した時に、
一人称を直せと言われたのだった。
今日から一人称俺である。
それからちょっと男っぽく喋ることにした。
「げっ?!
やっぱその話、卒業まで言われんのかな……」
「僕は全然関係ないんだけど……
あ、さっき紹介されたけど、
僕はユウ。Aくん、よろしくね。」
「ぼ、僕はデュース。よろしくな、A」
2人によろしくと返して私は口を開いた。
「大丈夫、俺は面白いなぁって思ってるだけだよ。
良かったら今度は俺も誘ってくんない?」
まぁ走れないんだけど。
なんてことは黙っておく。
とにかく早く走れるようになる。
当面の目標は勉強よりもそれだった。
「いや、オレらは好き好んでやったんじゃないし。
つーかオレはどっちも被害者じゃね??」
「オレ様に絡んできたのはお前だゾ!」
もふ、としたよく分からない生物がエースに絡む。
ユウは困ったように
「いつもこんな調子で
事件が起きちゃうんだよね……」
と苦笑い。
「ウマが合わないのか合いすぎるのか…」
会話が弾んでいる様子だから、
別にそりが合わないわけじゃないんだろうなぁ
とその光景を眺めながら、
少し羨ましくもなったりする。
「これからよろしくね」
改まったようにそういえば、
4人とも快く手を差し出してくれた。
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作者名:よく骨を折る田中 | 作成日時:2020年6月30日 22時