藍沢先生になったフェローちゃん

その2 ページ3

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ポチャン

藍沢「あ！」


大切な問題 を話してみれば

そんな音が鳴って、聞いたこともないくらいの藍沢先生の声が家に響いた


「え！なに」

藍沢「まずい、スマホが」


なんで、こんな大切な話の時に

わざわざスマホをカップインさせるかな……





「コーヒー臭さ残ってるけど、防水でよかったね。淹れ直すね」


見事カップインさせたスマホをちょっと躊躇いながら洗って

新しいマグカップをセットし彼のコーヒーのボタンを押して

私は少し冷めたカフェラテを…



藍沢「待て」


口をつけようとしたマグを彼に奪われ、何するのばかりの目線を向ければ


藍沢「カフェラテはカフェインが入ってるだろ。胎児に良くない」


「ふふ 藍沢先生。知らないんですか〜？妊婦さんでも１日一杯くらいは大丈夫なんですよー！」


藍沢「……そうなのか？…いや、やっぱり緋山に確認してからにしろ」



なんて言ってまだコーヒー臭いスマホを操作して

本当に緋山先生に電話を始め

そのスマホに耳を傾ければ、お祝いの言葉に続けて



緋山＿一杯なら大丈夫だって！…てゆうか今私合コン中なのね！邪魔しないで！！じゃあ！


と言う声が聞こえてきた



藍沢「一杯はいいそうだ」

「でしょ〜？」



とスマホを持つ手の反対にある私のマグを奪い返しソファーに座ってゴクゴクと大好きな味を堪能する


藍沢「A」


私の名前を呼びながら隣に座り、苦そうなコーヒーを今度こそ口にした


「なーに」


藍沢「病院で診てもらったか？」


「明日の夕方予約してる。日没後だったらホットラインもまだ少ないと思うから」


藍沢「翔北の産科か？」

「うん。定期検診も翔北ならちゃんと行けそうだし」



じゃなくて！！！


待って、待って、待って


なんかすごく流れに流されて、凄く普通に会話してるんだけど



「産んでいい、よね……？」


藍沢「なんだその無意味な質問は」



いや、ほら一応。夫婦と言えども、、

私が独断で決定していい問題じゃない訳だし




藍沢「俺がダメだとでも言うと思ってるのか」


「そうじゃないけど、」



だって、ドラマとかだと


妊娠したの

え？本当に？すげぇ嬉しい。これからはこの子とお前を守るよ


とか何とかあるじゃん？



「あ……」

藍沢「なんだ」



あった。

スマホ、カップインさせるくらい動揺して

カフェラテの少ないカフェインも気にしてた


言葉にしないだけで、本当は凄く凄く喜んでくれてるんだよね



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