よそはよそ、うちはうち (ページ9)

今日:9 hit、昨日:6 hit、合計:97,392 hit

付き合う前のお話ページ9

________

友達のジェシー君の事が好き。彼を紹介されて一目見た時からずっと惹かれてた。

けど、彼は私の事なんとも思ってないから2人で食事も全然平気で。

なのに私はいつも心臓バクバクで綺麗にご飯食べれてるかな…上手く喋れてるかな、なんて毎回毎回気にしてる。

今日は珍しく2人で洋食店に。

「あれ？ジェシーじゃん」

そう言って3人組の女の子が近づいてきた。ジェシー君の友達らしい。

「その子は？」

「友達だよ」

即答する彼。そりゃそうだよね、友達でしかないのなんて考えなくても分かってた。

「ね、ジェシー私達も一緒に食べていい？」

「いいよ全然、みんなで食べた方楽しいし」

ってまぁ、友達の多いジェシー君ならそう言うよなって。でも人見知りの自分は喋れるのジェシー君だけだし、いくら大人でも知らない人はしんどくて…。

「ごめん、トイレ行ってくるね」って言って荷物を持ってトイレに行くふりをしてそのまま店を出た。

次に会う時にジェシー君に食事代渡せばいいかと思ってLINEで[ごめん。ちょっと具合悪いから先帰るね、次会った時お金返すから]とメッセージを送った。

外の空気は少し冷たかったけど気持ちが落ち着く。

すぐ返信来るかななんてちょっと期待したけど全然来なくてジェシー君にとっては、私はあの子達より下なんだなって思ったらなんだか泣けてきて。

家に着いて、明日は休みだし…電気も付けずにベッドで丸まってたらいつの間にか寝ていていつものアラームでも鳴っていたのかと思って携帯を見ると北斗から着信。

耳に当てる気力もないからスピーカーのボタンを押すと

「おい、大丈夫か？！」

久々に聞いた北斗の大きな声。
寝起きだし昨日泣いて頭痛いから北斗の声が良く響く。

「うるさい…」

「うるさいじゃねえよ、何で電話でないんだよ」

「え？あっ…昨日帰ってからいつの間にか寝て
て…」

「…はぁ、無事ならいいけど」

心配してんのにため息？ほんと北斗ムカつく。

「ジェシーが」

「なに」

「お前が電話でないからって俺にかけてきたんだよ…しかも夜中に何度もな。」

「…」

「なんかあったのかよ」

「別に」

「あっそ。まぁ俺には関係ないからいいけど連絡くらい返してやれよ。それだけだから、じゃあな」

そう言ってササッと切られてしまった。何も聞いてこないってことはきっと、北斗なりに気を使ってくれたんだなって。

_______