【青】君と暮らすなら【橙】 (ページ13)

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あの日から毎日のように面会ギリギリに会いに来てくれる章ちゃん。

休みの日はお花替えたり、朝から付きっきり。ちょっぴり申し訳ないけど

変わり映えしない病院生活で唯一の癒しになっている。

今日も、もうすぐ3時20分。

受付時間のギリギリらしい。

廊下でパタパタといつものように足音が……

いっこ、にこ、

うん？

2個？

安「待って！」

と、章ちゃんの焦った声が聞こえる。

点滴に繋がれた腕をそのまま、ベッドの上から扉の先を見つめる。

『っ…丸、山……さん』

そこには息を切らし、今にも泣き出しそうで、でもちょっと怒った顔をした丸山さんの姿と

後ろでバツの悪そうな章ちゃんの姿があった。

安「……ごめん、」

『ううん、隠してたの、私だし』

まだ肩で息してる丸山さんを部屋の中に呼ぶと、

ベッドの正面まで歩いてきて、そこで改めて私に目を合わせた。

章ちゃんも、丸ちゃんの手前で止まった。

丸「最近、連絡しても出ないから

章ちゃんなら知ってるかなって思って聞いて

章ちゃん、こういう時の嘘めっちゃ下手くそやから。」

『あはは、バレちゃった？』

丸「笑い事ちゃうやろ。」

その声はこの間、電話越しに聞いた章ちゃんの声に似てる。

切羽詰まってるみたいな、

私のことを、

大事に思ってくれる声。

お父さんお母さんも、あんな感じだったなぁ

『ごめんね、心配させたく、なくて…』

丸「いつから？」

『子供の、時から』

…