全力少女2 (ページ8)

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愛しい子黒ページ8

『…あー、るぅ、寝てもうたわ』

BBQをし終えてリビングでゆっくりしとったら

琴宮家の末っ子はAの腕ん中で熟睡してもうた

時間は午後11時

シュンとこの双子も「勉強する」言うて自室に戻ったし

上の姪っ子ちゃんは「パパと寝るの！」リュウくんと上がって行った

ほんで残ったんが俺らと末っ子ちゃんのみ

村上「ホンマそっくりやなぁ…」

『やろ？元々、リュウちゃんと私が似とるからなぁ』

そう言って愛しそうに末っ子ちゃんの髪を梳くAの横顔は母親の顔になっとって

きっとAに子供生まれたら、こんな顔するんやろな

『…とりあえずオカンにるぅ、お願いしてくるわ』

横山「…俺、一緒に行くわ。ずっと抱きっぱで疲れたやろうし」

『ありがとう』

久しぶりに抱っこした末っ子は前、抱っこした時よりも大きなっとって

子供の成長って早いんやなぁ、と実感

「抱き方、ぎこちない」「新米パパやん」ていうヤジは無視しといて

Aに続いて廊下に出た

『ヨコちゃん、ごめんなぁ、せっかくの休みやのに…』

眉を下げて急にそんなことを言うからビックリした

なんでお前がそんな顔すんねん

俺が勝手にやってるだけやし……

「お前は頑張りすぎやって。もっと頼らな、周りを」

『頼ってるつもりやねんけどなぁ…』

いや、どこがやねん

なんでも完璧にこなしとるように見えるAやけど

実は人一倍努力しとんの知ってんねんで？

なんでも100%でやるもんやからスタッフからの評判は高いけど

後遺症のこともあって、めっちゃヒヤヒヤしてんねん

ほんやから、ちょっとでも頼ってもらえるように、みんな頑張っとるのに

コイツ、全然頼ってくれんねん！！！

『うん、頼ってる』

「いや、どこが！？」

『う～ん…例えばバラエティな。面白くなるように振ってくれるんはヒナちゃんかヨコちゃん。んで、私が喋ってそれに対して話を広げてくれるんがすばるくんやマルちゃんやん？
逆にみんな居らんかったら、あんな面白い内容喋れんし、話広げることもできひんもん。
みんな居ったらどっちに転んでも面白くしてくれるやろ？』

『バンドやってみんなレベル高いから、好き勝手色んな楽器させてもらってるし。歌やってメインボーカル言われとるけど、すばるくんと亮ちゃんには敵わんもん。それにみんなのハモリに救われとることもあるから……
な？めっちゃ頼ってるやろ？』