全力少女2 (ページ25)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:29,119 hit

愛しい子　紫ページ25

開始まであと2分

今まで感じたことのない空気が舞台袖を包み込む

『ヒナちゃん、緊張しとる…』笑

村上「そらするやろ！」

俺やかてこんなとこ立ったことないし

小さい頃から立ち続けとるAはヘラヘラしとるし……

ﾍﾟｼｯ

『いった！なんで叩いたん！？』

村上「ヘラヘラし過ぎや！」

『もー、せっかく解したろ思ってたんに…』

村上「それよりお前こそ大丈夫か？1発目やけど」

『うん、バッチリ！』

そう言って軽く声出ししてみせる

いつもの歌声とちゃう

ファルセットの効いた柔らかい歌声

お前こんな歌声も出せたんやな

ほんま…

村上「綺麗や…」

『ふふっ。素敵やろ？私の歌声』

村上「せやな」

『ちゃんと見といてよ。こんな私見えるん今日だけやから！』

父「A、そろそろ…」

Aのオトンに呼ばれた

いよいよや……

Aはゆっくり深呼吸すると

『じゃあ、行ってくる！』

村上「おう、行ってこい！」

ワシャワシャと頭を撫でたれば

いつもの笑顔で笑ってステージに出てった

調子に乗るから本人には言ったらんけど

ほんまべっぴんになってもうて……

あんなに小さくて「ヒナちゃん、ヒナちゃん」ってべったりやったのが嘘みたいや

やっぱり、ちょっと寂しいよなぁ

横山「村上さん泣くんすか？」(笑)

村上「まだ泣くかアホぉ！！」

渋谷「(まだって泣く予定なんや……まぁ、無理もないけど)」