いつだって毒舌な君は分からない～Nagase Ren～ 2 (ページ2)

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そして文化祭は終わり

後片付けをして私達は解散して帰ってるとこ。

『……はぁ』

ただただ溜め息が出る。

一人で帰るのって何か久しぶりかも、

あの後、後片付けをしている時も

廉とは同じクラスだからそりゃ目の前にいるし

何度か目が合ったりもした

その度に目を逸らされて、また泣きそうになった。

『……廉』

今頃、廉と帰ってたら帰り道も早く感じるんだろうな、

ﾀｯﾀｯｯﾀ

後ろから凄い勢いで走る靴音がして私は振り返った

『…しょう…くん…？』

平野「はぁ、はぁ、久しぶりにこんな走った、」

『…どうしたの？』

紫耀くんは私の帰り道と真逆なはず…。

平野「いや相成ちゃんからAちゃんが元気ないって聞いて、」

真由…なにも紫耀くんに言わなくても…

っていうか…

『…心配して来てくれた…の？』

平野「えっ？当たり前でしょ笑好きな子なんだから笑」

『……っ』

私は紫耀くんの前で、泣いてしまった。

平野「あっ！ごめん！困るか！困るよね！ごめん！」

『ちがうの…っ、困るとかじゃ…ない…』

平野「……Aちゃん…」

ごめんね紫耀くん、

こんなに貴方は優しさを温かさをくれるのに

来てくれたのが廉だったらなんて一瞬でも思ってしまう私にも

貴方の優しさが今の私の心を癒すから、

泣いてしまうの。

平野「…付き合ってないけど、今だけごめん」

『……えっ』

紫耀くんは私を包むように抱きしめた。

『しょ…う…くん…』

平野「泣きたいときは泣きな？俺は泣き止むまでこうしてる」

『…うっ…うわぁぁ…っ』

屋上であんなに泣いたはずなのに

私はまた声を出して紫耀くんの腕の中で泣いた。

『……ご、ごめんね、もう大丈夫…』

平野「ほんと？」

『うん…大丈夫』

平野「あのさ、明日から俺がAちゃんのそばにいてもいい？」

『…え？でも私、紫耀くんにまだ…』

平野「いいの、てか好きにさせるチャンスでもあるし！ねっ、そばに居させて」

『……わかった』

平野「よし！じゃあ家まで送る！」

『…ありがとう紫耀くん』

平野「こちらこそ笑で、家こっちかぁ？？」

そう言って紫耀くんは反対の道に足を向ける。

『ちょ、違う！こっち！笑』

平野「あ、そっち！」

そして紫耀くんに笑わせてもらいながら家に帰った。