思い通りにならない彼女【煉獄杏寿郎】其の弐

83　▶杏寿郎視点 ページ36

悲鳴嶼さんとの事で勘違いをしてAには悪い事をした。
そこからAが大袈裟に受け取るものだから更に事態は悪化する始末。




あんなにも荒れ狂うとは。
よもやよもやだ。



その詫びとしてAが好きだという猫がいるカフェへと連れてきたんだが……




すごいな。
Aの気迫で猫が全くAに近寄らない。
ダダ漏れている触りたいという空気に猫が警戒している。





いたって本人は真剣なのが………これまた見るに耐えられん。
甘露寺もこんな気持ちだったんだろう…






…………で、何故俺の膝に乗ってる？
ソワソワとしているが色々と違うだろう…！
挙げ句こっちを向かせても何も反応しないだと…？
ありえない。
………俺のことを何だと思っているんだ。




他の女性ならばこんなにも平然としていないのに…！




…………気持ちを伝えたい相手がいるからか？
俺のことは意識しないと言う事か……？







…………腹が立つ。













………………くそっ。
それなのに一瞬、嬉しそうに猫を触りながら喜ぶAを可愛い等と不覚にも思ってしまった。








…いいや、可愛く見えるなんてありえない。
そうだ、絶対にありえない。






こんな猫の毛にまみれてボロボロの女を可愛いだなんて。





俺は炎柱、煉獄杏寿郎…！
そんなこと思うはずがない！！







まぁ………
役に立っているかは微妙だが協力してくれている相手だ、たまになら礼としてこうして書物を渡す以外にAが喜ぶことをしてやっても良い。
礼だからな、また連れてきてやろうと思っても不思議な事では無いだろう。









それにしてもAは一体どうしたら意識をするんだ…？
どういった相手なら…………。











……そうだ、気持ちを伝えたいと言う男が誰なのか……どんな関係なのか調べさせてもらおう！！

うむ！ それが良い！！
万が一その男と上手くいってしまったら婚約者のフリも辞められてしまうかもしれないからな！！！






……まだ逃すわけにはいかん！

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