思い通りにならない彼女【煉獄杏寿郎】其の弐

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ゔゔぅ………
酷いぃ…！！



あ、あばば、阿婆擦れだなんて……！
恋人もいた事ないのに酷すぎるぅ………
ゔぅぅぅ……………




『煉獄さんの人でなしぃぃ……!!
意地悪ばっかりの顔だけの性悪男ぉぉ……!
阿婆擦れじゃないもん〜…
うわぁぁぁん……!!!』






杏寿郎「……………これは想像以上に酷いな」





部屋で甘味を食べあさり、あろうことかグビグビと酒を浴びるように飲みながら杏寿郎への不満を爆発させるAの姿に杏寿郎はゲンナリした。





杏寿郎「飲むのは辞めないか…！
どうしていつも勝手に話しを大袈裟に受け取るんだ……！
阿婆擦れだとは言って無いだろう！！？」




『…………ひっく…
いいもん……煉獄さんは運命のお相手じゃないもん………
何……言われても良いもん………グスン……』




杏寿郎「…っ、だから……ちが……
………………む、むぅ…？」




運命の相手じゃないと言われ何故かとても心が痛み、泣き止ませようと思うが、初めて見る泣き顔に不思議と目が釘付けになった。



いつも淡々としているAの色んな表情を見てみたい、そう思っていたがこういう姿は“自分だけに”と、ポロポロと流れる涙を見ながら杏寿郎は複雑な心境になる。





『うぅ………
煉獄さんの意地悪男ぉ………ひっく…』




杏寿郎「………もうそんなに泣くんじゃない…」




涙を拭うとベソベソしながらAは杏寿郎に抱きつき、暫くすると規則の良い寝息が聴こえてきた。




杏寿郎「…本当…世話のやける女だな…。
…はぁ…………」





_____




___




__

　


『…………頭痛い……』



何か昨日やたらムシャクシャしたような気がするのに全く思い出せない。




って……
何故また煉獄さんが一緒の布団に寝て……？



ほおぅ………
まつ毛長いなぁ。
そりゃこのお顔だもん、おモテになるわけだよね。
寝ていればただのお顔の良い人なのに何であんなに意地悪ばっかりなんだろう。




残念な煉獄さん………。
……宝の持ち腐れってやつかな…
可哀想に…………






杏寿郎「………余計なお世話だな」





『…………うわぁ？！

えへへ…
何か聞こえてました…？
気のせいですよ、気のせい！』





杏寿郎「……はぁ……まぁ良い。
出掛けるから用意してくれ」




『？ どこ行くんですか？』




杏寿郎「そんな事は気にしなくて良い。
黙って支度を始めろ」








か、感じワル…！！
寝起き早々に解せぬ。

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