味 ページ47
人間サイドは全員、あ然としていた。
そして杏寿郎は目を閉じて頭を抱えている。
それもそうだ。
さっきまで殺し合いをしようとしていた上弦の陸とAは座って3人で金平糖を食べている。
そしてAは、その場の全員に金平糖を渡していた。
杏寿郎(…Aさん…君って人は……よもや…)
宇髄(…いやいやいや、有り得ねぇだろぉ！！！？)
炭治郎(…やっぱりAさんって色んな意味で凄い……)
善逸(…Aちゃん…嘘でしょぉ…)
伊之助(…ヨクワカラネェ…)
狛治(……。何か面倒になりそうだな…。)
それぞれ思う事があったが共通して思った事があった。
何故、Aは殺されなかったのか？
妓夫太郎には鬼になってからも少し人間の時の記憶があった。
人間の頃なんて嫌な記憶しかない。
母親からも生まれる前も後も殺されそうになり、誰からも優しい言葉をかけられた事なんてない。
罵詈雑言は自分の為の言葉だと思っていた。
なのにAは笑いながら、優しい言葉をかけ、見た目に怯みもせず、当たり前の様に《普通》に接した。
人間の時ですら人間扱いされなかった自分を、鬼になった今の姿でも人間の様に接する。
妓夫太郎はそれが少し堕姫の姿と重なった。
普通の兄として接し、外見の事も気にせず当たり前に一緒にいた妹と。
それが心地良かったと言うか、心臓が温かくなった……気がしていた。
堕姫も「アンタ…何か人間のくせに可愛いわね」と言って喰う気配は無かった。
金平糖の味なんて鬼には分からない。
だけど妓夫太郎と堕姫は、Aから貰った金平糖が何だか美味しく感じていた。
堕姫「……？何か知ってる気配がするわ。」
そう言うとキョロキョロと周りを見渡し、何かに気付いた。
堕姫「………あんた、参…よね…？何その擬態、そういうの出来たの？」
狛治(…面倒くさいな)
それを聞いた宇髄もコイツ鬼だったのか？！と驚愕だ。
『狛治はね、人間に戻ったんだよ？ちなみに人間の時の名前が狛治って言うのっ！ふふ、でも鬼の時も今も中身、何も変わらないんだよ！優しいっ』
笑いながら狛治の事を堕姫に説明する。
またも宇髄は情報量が多すぎて混乱していた。
堕姫も驚いた。
あの常に仏頂面の参が？優しい？すぐキレてたのに？少なくとも鬼の頃から優しい訳ないじゃない。と。
しかし何か察した。
堕姫(へぇー…あの参がねぇ。ふーん？それで一緒に居るのね)
堕姫は狛治に近づいた。
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mqnq12(プロフ) - しらたまさん» コメントありがとうございます♪楽しんで貰えてると思ったら意欲が湧きます(^^)思いの外、長編の予感がプンプンですので、これからも良かったら見てやって下さい＼(^o^)／ (2021年1月23日 21時) (
レス) id: 86a7064ea0 (このIDを非表示/違反報告)
しらたま - いつも楽しませてもらってます☆狛治も任務に着いていくの楽しみすぎます！(σ≧▽≦)σ (2021年1月23日 19時) (レス) id: 6f0f903611 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏 | 作成日時：2021年1月15日 19時
